【小説・ミステリー】『ポーカー・レッスン』―全話面白い異常な短編集
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『ポーカー・レッスン』ジェフリー・ディーヴァー / 訳:池田真紀子 / 文藝春秋
「このミステリーがすごい!」でも常連の実力派作家の短編集。
短編集というのは大抵、収録中の1~2割が当たり、2~3割がハズレ、残りが普通という割合になっています。(経験上の平均値)
長編になりきれないアイデア、使いたくても使えなかったアイデア、長編の番外編などといったサブ的な扱いをされがちです。
しかし、この短編集は全話面白いという異常なクオリティを保持しています。
当然全部ミステリーなわけですが、すべて味が違う。
バリエーションが豊富すぎて、1話読むごとにお腹いっぱいになります。
ミステリー作家志望の方はこの本を読んでおけば事足りるのではないかと思えるほどです。
著者はミステリーの真髄を理解しておられる。
3話目が特に印象的でした。
一般人(犯人)とホームズが対決して、ギリギリで一般人が勝つという話。
もちろんメインは警察の捜査ですが、犯人がいかにホームズの目をくぐりぬけるかという視点で描かれているので、倒叙型のサスペンスといえます。
ホームズファンに対する配慮もあるのがニクい。
ジェフリー・ディーヴァーは何を読んでもハズレがありません。
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