【マンガ】『かくしごと』―父親の隠し事と描く仕事【2020年4月~アニメ化】
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紙の本も読みなよ / A-key-Hit
『かくしごと』久米田康治 / 講談社
⇧1巻は2016/6/17発売。
最新刊の10巻は、2019/11/15に出ました。
2020年4月からアニメ放送が開始されます。
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【マンガ】『かくしごと』―父親の隠し事と描く仕事【2020年4月~アニメ化】
<漫画家マンガ>
昨日の記事でも紹介しましたが、漫画家を題材にした漫画は数多くあります。
例えば
・藤子不二雄A『まんが道』
・島本和彦『燃えよペン』『吼えろペン』『アオイホノオ』
・ハロルド作石『RiN』
・えりちん『描かないマンガ家』
・東村アキコ『かくかくしがじか』
・余湖裕輝・田畑由秋『コミックマスターJ』
などです。
そして漫画家マンガの中で一番有名なのは『バクマン。』でしょう。
◆『バクマン。』小畑健・大場つぐみ / 集英社 / 全20巻
漫画家マンガは、大抵は漫画家たちの創作の苦悩が描かれます。
つまり、締め切りが迫っているけれどアイデアが出てこないとか、
何らかのトラブルがあって今のペースじゃ締め切りに間に合わないとか、
編集者と意見が合わないとか、なかなか連載が決まらないとか、
身体は限界だけど休むわけにはいかないとか、
創作上の様々なピンチについてです。
一方、昨日紹介した『狭い世界のアイデンティティー』では、そういったことは描かれません。
漫画業界の現状を誇張してふざけながら描いています。
◆『狭い世界のアイデンティティー』
押切蓮介 / 講談社 / 1~4巻(続刊)
『バクマン。』では、漫画家は夢のある職業であり、漫画業界はライバルたちが己の才能と努力でしのぎを削る、クリエイティブかつ根性論の世界として描かれていました。
一方『狭い世界のアイデンティティー』では、漫画業界は嫉妬や憎悪がうずまき、悪逆非道な奴らが潰し合う残酷な世界として描かれています。
どちらもフィクションですが、業界の捉え方は真逆です。
そしてこれから紹介する『かくしごと』は、そのとちらでもありません。
漫画業界を美化したりしませんし、揶揄はしますが自虐がほとんどです。
漫画家という職業を、恥ずかしくて隠したいものだと描いています。
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<あらすじ>
主人公は漫画家の後藤可久士。
小学生の娘の姫と二人暮らしをしています。
後藤は娘に自分の仕事を隠しています。
彼の代表作が下ネタばかりなので、それを知られたら学校でイジメられると心配しているからです。
「その後に不登校になって、心を閉ざしたらどうしよう」とまで考えています。
毎朝、後藤は登校する娘と一緒に、スーツを着て家を出ます。
父親は普通の会社に行っているんだと思わせるためです。
娘と別れた後は、近くの古着屋でTシャツと短パンに着替えて仕事場に出勤します。
彼はその格好にならないと漫画を描けないのです。
後藤の仕事場にはアシスタントが4人います。
後藤との付き合いが長い人が多いです。
後藤はベテラン作家なので、創作に関しては特に「生みの苦しみ」はないようです。
それよりも懸念しているのは、いつか娘が何かの間違いで仕事場にやって来てしまい、漫画家の仕事を知られてしまうことです。
後藤はそんな事態を想定して、防災訓練と称して、合図があれば即座に漫画関連の道具を仕事部屋から隠す練習を、アシスタント達にやらせています。
ある日、後藤の担当編集者が交代することが決まりました。
新担当の十丸院(とまるいん)は、「読者プレゼントが完成したから仕事場に持っていく」と後藤に電話をかけてきました。
しかし、いくら待っても十丸院はやって来ません。
道に迷っているのかと思われましたが、アシスタントの一人がこうつぶやきました。
「間違えて自宅の方に行っちゃったとか」
もし自宅に編集者が行けば、後藤が漫画家だとバレてしまいます。
慌てて自宅に戻った後藤は、そこで娘と向かい合わせに座っている十丸院の姿を目にしました。
しかも十丸院は、後藤の描く漫画のキャラクターTシャツを着ていました。
果たして後藤は、娘をごまかし切れるのでしょうか。
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<まとめ>
漫画家の父親(後藤)が、仕事を娘に隠し通そうと奮闘するギャグ漫画です。
後藤はベテラン作家ですが、売れっ子作家ではありません。
そして彼の過去の代表作は下ネタばかりなので、娘や彼女のクラスメートに知られれば、娘がイジメられる可能性があります。
だから周囲の大人たちには徹底的に箝口令を敷いています。
この作品は「漫画家マンガ」ですが、創作シーンはほとんど出て来ません。
代わりに著者の体験談をベースにして、漫画業界の知られざるあるあるネタが描かれています。
「コミック派」ではなく「漫画雑誌も読む派」の人の方が、小ネタを楽しめます。
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