【マンガ】『ムラサキ』厳男子―創作ダンスは体育ではなく芸術!
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紙の本も読みなよ / A-key-Hit
『ムラサキ』厳男子 / LINE Digital Frontier
⇧1巻は2018年9月発売。
最新刊の2巻は2019年9月13日に発売されました。
<創作ダンス>
中学校では2012年度から「武道」と「ダンス」が必修科目になりました。
ダンスの科目は
「創作ダンス」「フォークダンス」「ヒップホップダンス(現代的なリズムのダンス)」の3種類からどれか一つを学校側が選びます。
創作ダンスでは、あるテーマについて生徒が自分で振り付けを考えて表現します。
創作ダンスは、体育の中でも苦手な人が多い科目です。
小さい頃からダンスを習ってきた人は別ですが、皆の前でさらしものにされる発表会は、人前に立つとあがってしまう人にとっては苦痛でしかない時間でしょう。
クラスのヒエラルキーの上位層の人間ですら、流行のダンス(恋ダンスなど)を適当に取り入れてお茶をにごす程度です。
ダンス・ガチ勢とは違うからです。
ダンスを教える側の教師にも戸惑いがあるようです。
教師はダンスのインストラクターではないし、ダンスを教えるための授業がどうあるべきなのか、まだまだ手探り状態だからです。
そもそもダンスは世界に様々なジャンルがあり、体育の授業の枠内で体得できるものではありません。
ダンスの目的は運動のため、身体能力向上のためというより、何かの表現のために身体を使っています。
どちらかといえば、体育よりも芸術に近いものです。
この漫画は、ダンスの力を信じている主人公が創作ダンスの可能性を追求していく話です。
(⇩左が主人公です)
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<あらすじ>
高校2年生の主人公・一条紫(いちじょう むらさき)は、太っていて素人でしたがダンスが好きでした。
小さい頃に見たダンスに魅了され、それ以降ダンスの表現力を信じているのです。
彼女は体育で教わるなんちゃってダンスでは物足りず、新しく創作ダンス部を作ろうとしていました。
紫がやろうとしているのはコンテンポラリーダンスです。
コンテンポラリーダンスとは、バレエやジャズダンスやヒップホップとは違う、既成のジャンルに属さない前衛的かつ実験的なダンスのことです。
ダンス部の部員を集めるためにそれを説明すると、皆尻込みしたりバカにしたりして入部を断ります。
紫はそれは自分に人を惹きつける力が無いからだと思いました。
紫のクラスメートの美少女・菫ソラ(すみれ そら)は美術部員でしたが、ダンスにも華がありました。
紫はソラをダンス部に誘いますが、断られてしまいます。
ソラは男子に絶大な人気があり、ファンクラブのようなものまでありました。
その内の一人である翡翠翔之助(ひすい しょうのすけ)は、ダンスをしながらソラをストーキングするという変人でした。
しかし彼のダンスを目にした紫は衝撃を受けます。
あまりにも迫力があったからです。
紫は翔之助をダンス部に誘いますが、彼はソラに夢中なので紫の話に耳を貸しませんでした。
しかし彼女は翔之助という人材を諦められません。
紫は翔之助に言いました。
「菫ソラにあって私に足りないものはなんだ!!はっきり言え!
私が太っているから?要するに見た目がダメだとそう言いたいのね?」
そのセリフを肯定されて悔しがる紫は、ソラに体重を聞きました。
そして2ヶ月でソラの体重までやせてみせると宣言します。
さらに、もしやせることができたら翔之助にダンス部に入ってもらうという無茶な条件まで提示しました。
(ちなみにソラの体重が47㎏で、紫は72㎏です。つまり25㎏やせないといけません。)
翌日から紫は、標高877mある紫峰山に朝4時に起きて登り、学校が始まるまでに降りてくるという日課を続けます。
果たして彼女は2ヶ月で目標を達成し、翔之助をダンス部に加入させることができるのでしょうか。
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<まとめ>
あまりにも絵が上手く、演出力も素晴らしく、迫力が群を抜いています。
ダンスに言葉が不要なように、この漫画にも言葉が必要ないほど、絵が全てを語っています。
物語のノリは『監獄学園』と似ています。
登場人物たちは誰もが真剣なのに、読者から見ると全員ふざけているように読めて笑ってしまうのです。
つまりこの作品は、シリアスなギャグ漫画なのです。
(※『監獄学園』も絵が超絶に上手いです。)
◆『監獄学園』(平本アキラ / 講談社 / 全28巻)
所々でふざけているとはいえ、『ムラサキ』でのダンスシーンは本物です。
うまく言葉で説明できないダンスの凄さを、見事に表現されています。
創作ダンスは身体表現であり、芸術であり、突きつめると哲学になることが分かります。
新しいダンス漫画です。
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