【小説・ミステリー】『バビロン』―正義のHERO・検察官【アニメ化】
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『バビロン』野﨑まど / 講談社
⇧文庫です。
2017年11月に発売された3巻まで出ています。
2019年10月からアニメ放送が開始されます。
テレビ東京系とAmazon Prime Videoで配信されます。
<検察官について>
この小説は検察官の物語です。
検察官が主人公の物語といえば、
代表的なのが木村拓哉さん主演のドラマ・『HERO』ですね。
検察は警察と違います。
警察は犯罪事件の容疑者を逮捕して、取り調べを行います。
それから検察が容疑者の身柄を引き取り、再度取り調べをして、本当に裁判所に起訴するかどうかを判断します。
『HERO』でも描かれていたように、検察官にも捜査権があります。
検察庁には最高検察庁、高等検察庁、地方検察庁
それぞれ各裁判所に対応しています。
『HERO』の舞台となっていたのは東京地検城西支部です。
彼らが時々衝突していたのが、テレビニュースでもよく聞く東京地検特捜部です。
正式名称は、「東京地方検察庁特別捜査部」です。
東京、大阪、名古屋の地方検察庁に設置されています。
東京地検特捜部の仕事は、政治家の汚職や大きな脱税、あるいは経済事件などの捜査です。
大抵の刑事事件は警察が捜査して容疑者を逮捕するものですが、上記の事件では特捜部がはじめから捜査することもあります。
この小説は、そんな東京地検特捜部が舞台の物語です。
ちなみに「検事」は検察官の役職の一つです。
『HERO』の久利生 公平も検事ですし、
これから紹介する『バビロン』の主人公も検事です。
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<あらすじ>
主人公は東京地検特捜部の検事・正崎善(せいざき ぜん) 。
糖尿病治験薬を開発した製薬会社・日本スピリが、大学研究と結託して臨床試験結果に人為的な操作を加えていた可能性が浮上しました。
そこで関係者からの数ヶ月に及ぶヒアリングを経て、ついに厚生労働省は日本スピリを薬事法違反の疑いで東京地検に告発しました。
そして正崎を含めた、東京地検特捜部による強制捜査が執行されました。
押収した膨大な量の文書の中から、正崎と彼の補佐役である検察事務官・文緒厚彦は容疑の証拠を探すことに忙殺されていました。
数日後、文緒がとあるメモを発見します。
その紙の下部分には、小さくボールペンで「F」と書かれていました。
その程度では証拠になりませんが、その紙の裏には「F」という文字が何万個も書かれて真っ黒になっていました。
二人は驚き、正崎は思わずその部分をなでてみます。
インクが付くかという予想ははずれ、ザラリとした感触がありました。
目をこらして見てみれば、感触の正体は何本かの髪の毛と、爪の端のようなものと、皮膚のカケラと、固まった血液でした。
問題の紙は異様さにおいては突出していましたが、その文書は日本スピリとは別の製薬会社の睡眠薬のデータが記載されており、正崎たちが調べるべき事件とは関係がないようです。
念のための捜査で、彼らはその臨床試験を行った医科大学に向かいました。
ところが責任者の因幡信(いなば しん)という麻酔医は不在でした。
一応、彼の自宅も訪ねてみたところ、彼は自宅で裸になって麻酔の過剰摂取により死亡していました。
異様な死に方ですが争った形跡もなく、麻酔器の繊細な操作は難しいことから、自殺と診断されます。
因幡は亡くなる前に、大物政治家の野丸龍一郎の秘書と会っていました。
野丸は今、選挙戦の真っ最中です。
そんな忙しい中にわざわざ秘書に病院に行かせるということは、因幡の死は野丸に関係しているのではないかと正崎は疑います。
秘書は票を集めるため、色んな業界の大物たちに、若い女を貢いでいました。
これだけですでに公職選挙法違反ですが、真実に迫るために正崎は彼を泳がせます。
野丸や秘書は悪事が露見しないように行動することに長けており、正崎たちになかなかシッポを掴ませません。
よって、犠牲になった若い女に事情聴取することが、一番証拠をあげやすいと判断されました。
女の自宅を見張る役目は、文緒に与えられました。
彼の3時間おきの定期連絡に返信するために、正崎も徹夜で仕事をしています。
しかし夜が明けようかという時間に送られてきたメールを最後に、文緒も自宅で首を吊って自殺してしまいました。
メールは遺書のような内容でしたし、自宅に争った形跡もありませんでした。
よってこの事件も自殺と判断されてしまいますが、正崎は文緒が自殺するような状態ではなかったと知っています。
これにより正崎は、因幡も文緒も何者かに自殺に見せかけて殺されたと確信しました。
どうやら事件の背後には、正崎が想像していた以上の巨悪が潜んでいるようです。
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<取り調べ>
数々の事件には、野丸の秘書と一緒にいつも若い女が同行していました。
事件の謎の鍵はその女が握っているようです。
正崎は彼女を一度参考人として取り調べるのですが、そのシーンは必見です。
警察にしろ検察にしろ、取り調べが行われるのは彼らのホームであり、環境としては彼らが有利です。
しかし彼らにも時間制限があり、不利な点もあるのです。
拘束できる時間が限られていれば、残り時間が少なくなれば彼らは焦り、暴行や脅しという手段に訴える者もいます。
しかし正崎はそういった違法なやり方はしません。
正攻法でしか取り調べができないのなら、手ごわい相手の場合はさらに厄介です。
最初は「若い女だからすぐに供述を得られるだろう」と考えていた正崎でしたが、次第に女の手強さに気付きます。
検事である正崎を手玉に取る、女のやり口は見事です。
これは現実世界でも、あらゆる交渉で使えそうです。
物語はこれで完結ではなく、2巻、3巻に続きます。
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