【マンガ】『青の花 器の森』1巻―陶器に絵柄は必要か
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紙の本も読みなよ / A-key-Hit
『青の花 器の森』小玉ユキ / 小学館
⇧1巻は2018年9月発売。
最新刊の3巻は2019年8月9日に発売されました。
<陶芸の漫画>
この漫画の題材は「陶芸」です。
漫画の題材としてはマイナージャンルです。
陶芸を扱った漫画には代表的なものに『緋が走る』や『ハルカの陶』があります。
◆『緋が走る』(ジョー指月、あおきてつお / 全15巻)
⇧絶版ですが、kindle unlimitedなら無料で読めます。
◆『ハルカの陶』(西崎泰正、ディスク・ふらい / 芳文社 / 全3巻)
⇧2012年に完結していますが、まだ絶版になっていません。
他にもいくつか陶芸を扱った漫画は存在しますが、いずれも器を作ることに焦点が当てられています。
例えば『緋が走る』は、器の焼成後に見られる最高の美とされる色・「緋」を、主人公が追求していく話です。
これから紹介する『青の花 器の森』は、同じ陶芸でも扱う工程が違います。
器づくりではなく、「絵付け」がメインです。
絵付けとは、素焼き後の器に模様や絵柄を描く工程のことです。
当たり前ですが、絵付けをしないと器の表面は色の違いはあれど無地のままです。
この漫画の主人公は絵付けの工程を担当しているため、絵付けを中心に物語は展開されていきます。
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<あらすじ>
舞台は長崎県・波佐見町。
(実在の町であり、陶磁器の生産地です。)
主人公・馬場青子はこの町で生まれ育ちました。
祖父母も両親もみんな焼き物づくりに携わる仕事をしており、彼女自身も小さい頃から絵を描くことが好きだったため、絵付けの仕事を選んだことに何の疑問も持っていませんでした。
彼女は常に絵のことを考えており、時間を忘れて道端の草花をスケッチしたり、仕事の昼休みには図案集を広げてデザインを想像することを楽しんでいます。
ちなみに波佐見焼きは伝統的に分業制であり、絵付け、ろくろによる成形、釉掛けなどそれぞれに専門的な担当者がいます。
ある日、彼女の職場に真鍋龍生(たつき)という男が新入社員でやって来ました。
彼はフィンランドで作陶活動をしていましたが、磁器を学び直したくて日本に帰国したのです。
彼は勤務初日に、絵付けを担当している女性社員に「絵付けがやりたいなら教えるよ」と言われましたが、「絵付けされた器に興味が無い」と答えます。
つまり、「器に絵付けをする必要性を感じない」と専門家に言い放ったわけです。
それを聞いた青子は自分の仕事を否定されたように感じ、龍生に反感を覚えます。
そうこうしている内に、焼き物のお祭り・桜陶祭の季節がやって来ます。
桜陶祭には、たくさんの人が器を求めて中尾山(青子の職場もここにある)を訪れます。
そこでの限定商品として、青子は一輪挿しを提案しました。
しかし青子はろくろの扱いが苦手であり、龍生が成形を担当することになりました。
龍生のろくろの扱いは見事で、形のイメージを伝えた青子が一切の修正点を見出せないほどでした。
出来上がった試作品に対して、どんな絵付けにしようか悩む青子でしたが、
龍生は「絵付けはしない方がいい。自分は白一色のイメージで作った」と、絵付けに反対しました。
二人は「絵付けはした方がいい、いやしない方がいい」と意見が対立し、お互いに譲りません。
両方を展示するのは統一感に欠けるということで、職場内全員で審査をして、良かった方を採用するコンペにかけることになりました。
果たして、どちらの案が採用されるのでしょうか。
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<まとめ>
陶器の絵付けを題材とした漫画です。
「陶器の表面に絵柄が必要か不要か」は、けっこう難しい問題です。
確かに全ての陶器が色違いの無地だったら面白くないかもしれませんが、全ての陶器に模様が入っているのもまた鬱陶しいものです。
「どっちもあっていいじゃない」と言ってしまえるのは、完成品しか目にしない一般人だけでしょう。
目の前の作品に絵柄を入れるか、無地のままでいくかは、現場の人間にとっては常に悩みどころなのです。(そこが面白さともいえます。)
とはいえ絵付け師にとっては、絵柄を入れることが存在意義です。
絵付けをしてはじめて完成だと考えている人もおられるでしょう。
絵付け師の青子は、絵付けに興味が無い陶芸家の龍生とどう関わっていくのでしょうか。
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