【マンガ】『ブラック企業やめて上海で暮らしてみました』―語学学習は何歳からでも遅くない
【広告】
紙の本も読みなよ / A-key-Hit
『ブラック企業やめて上海で暮らしてみました』原作:初田宗久・漫画:にしかわたく / 扶桑社
⇧2016年12月発売。
コミックエッセイです。
<外国語を習得すること>
日本人は仕事で必要にならない限り、社会人になってから新しく外国語を学ぼうとする人はまだまだ少ないです。
グローバル社会だなんだと言われたところで、外国語(英語)を使えなくても就ける仕事が日本には山のようにあるからです。
日本の社会人が外国語を勉強しないでいる言い訳でよく使われるのが、
「もう歳だから記憶力が衰えていて無理」というものです。
確かに昔のことはどんどん忘れていきますが、新しく物を覚えられなくなったわけではありません。
実際はただ面倒くさがっているだけです。
やろうと思えばいくら歳をとっていても新しく覚えられるものです。
事実、この本の原作者の方も40歳になってから中国語を覚え始めました。
一般的には語学を始めるには遅いと思われる年齢です。
それでも著者は、たった1年で日常生活と自分の仕事の分野では支障のないレベルにまで到達しています。
まだ言葉が覚束ない子どもよりも早い進歩です。
別に著者に最初から語学の才能があったわけではありません。
最初の数ヶ月は周囲の言っていることが分からずに、挫折しそうになっています。
それでもある時、急に意味が分かるようになったのだそうです。
不思議ですね。
我々大人は、自分の能力を過小評価しているのかもしれません。
この本では、著者が中国・上海に語学留学してそこで仕事に就くまでのエピソード、あるいは印象に残ったトラブルや事件、あまり知られていない中国人の生態などが描かれています。
【広告】
<あらすじ>
主人公(著者)は初田宗久さん。
もうすぐ40歳になる独身男性です。
中堅出版社に11年勤めてきましたが、職場のブラック企業化に苦しんでいました。
深刻な出版不況の中、パワハラ編集長が打ち出したのは、
「月刊誌の売上げ減少分を隔月でムックを発行して補う」という過酷な方針だったからです。
編集部は当然のように連日の徹夜続きで、休憩はトイレに行く時だけです。
仕事量は二倍、三倍に増え、鬱病を患う社員もいました。
著者は「このペースで仕事をしていたら過労死する」と危機感を覚えます。
著者の数少ない楽しみは、年に1、2回のアジア旅行でした。
定年後は台湾で過ごすという夢も持っていました。
その夢のために38歳のときに週一回の中国語レッスンに通い始め、1年後に中国語検定4級に合格しました。(中学1年生の英語レベル)
そしてついにパワハラに耐えかねた著者は仕事を辞め、中国語留学のために上海へ旅立ちました。
著者の留学先は東華大学です。
当然のことながら授業はすべて中国語で行われるため、最初は全く付いて行けません。
周りの学生は10代20代で、記憶力の差に著者は呆然とします。
それでも我慢して授業を受け続けること3ヶ月。
周りの言っていることが何となく分かるようになってきました。
ある日、著者がマクドナルドで注文が店員に通じずに困っていたところ、日本語の話せる中国人・いっちゃん(男)が助けてくれました。
そこから二人は親しくなり、いっちゃんの自宅にも招かれる仲になります。
また、友人の紹介でジョンという男と親しくなり、日本語と中国語をお互いに教え合う仲となりました。
いっちゃんとジョンとの出会いにより、著者の語学力は飛躍的に向上していきました。
著者はもともと1年の語学留学のつもりでしたが、徐々に現地で働いてみたいと思うようになり就職活動を開始します。
そして色んな企業に応募するものの、どれも不採用でした。
諦めて日本に帰ろうかと考えていたところ、上海の友人の紹介により中国ニュースの日本語版をネット配信する会社に就職することができました。
【広告】
<まとめ>
著者が上海で仕事に就いてからの苦労エピソードの方が多く描かれていますが、
印象的なのは40歳になってから仕事を辞めて、上海に語学留学してそこで就職までしてしまう展開です。
趣味の旅行でアジアを回ることがあったとはいえ、40歳になってロクに使えない中国語の語学留学に行こうと思える行動力はすごいです。
著者の語学力の飛躍的な向上は、いっちゃんとジョンという二人の中国人の友人に出会えたことが大きいと思います。
やはり語学力向上のための手っ取り早い方法は、人と話すことのようです。
つまり長時間会話に付き合ってくれる人と出会うことです。
他にも中国の賃貸事情や爆買い(インバウンド)の様子、表現の自由の規制レベル、反日運動の実態や食品衛生の問題など、中国にいるからこそ分かる生の経験談は非常に貴重です。
日本も中国のマスコミも、自分たちに都合のいい事しか報道しないからです。
こういった本が多くの人に読まれて、日中の誤解が少しでも減ればいいですね。
⇦クリックするとAmazonに飛べます
⇩⇩⇩⇩⇩
⇧⇧⇧⇧⇧
▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽
△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△