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【マンガ】『フェルマーの料理』1巻―数学と料理の融合

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紙の本も読みなよ / A-key-Hit

『フェルマーの料理』小林有吾 / 講談社

⇧2019年6月28日発売。

 

◆著者は人気サッカー漫画『アオアシ』の小林有吾さんです。

『アオアシ』が完結したわけではなく、同時進行で連載が始まったようです。

この『フェルマーの料理』は月刊誌ですが、『アオアシ』は週刊連載です。

2作品を同時連載するとは、もはや超人の域です。

 

ちなみに、『アオアシ』の最新刊である17巻も同時発売です。

(⇧画像をクリックするとAmazonへ飛べます)

 

<数学と料理の融合>

タイトルの『フェルマーの料理』は、「フェルマーの定理」とかけているだけで、フェルマーが関係するマンガではありません。

数学的アプローチによる料理マンガ(グルメマンガ)という意味です。

 

「数学」と「料理」という、一見関係無さそうな題材を組み合わせることによって、唯一無二の料理マンガになっています。

実は、数学と料理は本質的には似ているのです。

料理の出来上がりを「答え」とするなら、そこから逆算して「式」つまり「レシピ」を主人公が組み立てていきます。

その過程に発想の飛躍へつながるヒントがあれば、わずかでも見逃しません。

数学の問題を解くためのアイデアの探索や発想の仕方が、レシピの組み立て方と似ているからです。

思考方法が似ていて、数学が得意なのであれば、料理にも応用できるというわけです。

 

 このマンガは、数学が得意な青年が、料理の楽しさに目覚める話です。

 そしてそれが思ってもみなかった才能の開花につながります。

 

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<あらすじ>

 数学の成績がずっと学内トップである高校3年生の主人公・北田岳(がく)。

東大合格も間違いないとまで言われていた彼は、数学オリンピックの最終予選まで駒を進めました。

試験中に周りの受験者を見渡した彼は、全国区での競技数学で勝ち抜ける力が自分には無いことを自覚し、解答用紙を白紙で提出してしまいます。

彼は数学が好きなだけで、ライバルたちのように難問にあらゆるアイデアを使って、数学に戦いを挑むような気概を持っていたわけではなかったからです。

つまり自分の才能に限界を感じたわけです。 

 

試験を無解答で終えたことが北田の通う高校の学長にバレ、特待生だった身分を剥奪されてしまいます。

つまり学費が免除ではなくなったのです。

 彼は奨学金の不足分を補うために、学食の厨房でアルバイトをすることにしました。

 

ある日、賄い料理のナポリタンを自分と同僚のために作っていたところ、部外者と思われる男が厨房に乗り込んできて、それを試食させろと言ってきました。

男の名前は浅倉海(かい)。

23歳で一つ星レストランのオーナーシェフとなった天才料理人です。

学長の依頼でケータリングサービスのために北田の学校にやって来たのでした。

 

浅倉は北田のナポリタンの作り方を見て驚愕します。

食材はもちろんのこと、フォークの温度管理にも厳密だったからです。

食べる人が手に取ったとき「温かい」と「熱い」の境目になる45度に熱して出すことは、北田にとってはいつもやっていることでした。

天才シェフの浅倉は、自分にそこまでの発想が無かったことを悔しがり、料理の素人である北田に興味を持ちます。

 

※ちなみに、あまり記憶に残らないことではありますが、絶品料理を目の前にして、手に取ったナイフやフォークが冷めていて残念な気持ちになったことは、誰しも経験があるはずです。

フォークの最適な温度は、料理への期待を高める効果があるのです。

 

 

後日、北田は浅倉の作ったナポリタンを食べて度肝を抜かれます。

これまでに食べたナポリタンより圧倒的に美味しかったからです。

レシピは教えてもらえませんでしたが、北田は自分なりに推理・分析します。

 

そして北田は、学長の依頼でもてなし用に浅倉がフルコースを作っている場所に連れ出されます。

浅倉は、数学に挫折し無気力になっていた北田にこう言いました。

 

「お前の数学的思考は料理のためにある」

 

そして北田にメインディッシュのナポリタンを作るよう要求します。

北田は状況に困惑しながらも、数日前に浅倉に作ってもらったナポリタンを参考にしながら、いつも通りの手順で作り始めます。

しかし北田はいつしか作ることに夢中になり、料理を楽しんでいました。

 

結果、学長のお客たちに大絶賛され、学長も特待生資格剥奪を取り消さざるをえなくなりました。

 

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 <まとめ>

料理の素人が数学の厳密性と発想力を使って、ありふれた料理でも極限までおいしさを高める工夫を見つけ出します。

推理力や分析力をある分野で極めれば、他の分野にも応用が利くということです。

 

家庭で再現できないような本格フレンチなどではなく、家庭料理を極限まで美味しく仕上げるというのは、『食戟のソーマ』(附田 祐斗・佐伯俊 / 集英社)に似ています。


  

 

しかし内容は全然違います。

ポイントは主人公が料理の素人だということです。(※ソーマは最初からスゴ腕)

 北田は料理はそこそこ出来ますが、アプローチ方法が独特です。

結果(完成形)がイメージできれば、そこから逆算して調理方法を組み立てていくのです。

素人ならでは、数学経験者ならではの発想法です。

こんな特殊な方法論の料理マンガは今まで読んだことがありません。

 すごいです。

 

『アオアシ』でもそうですが、著者のマンガは「現象や行動の意図の言語化」が徹底されているので、読んでいて本当に分かりやすいです。

 

ちなみにこの本で紹介された料理は、材料と気をつけるべきポイントまで記載された作り方のレシピが全部公開されています。

読んだら、作ってみたくなること請け合いです。

 

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