【マンガ】『数字であそぼ』(1巻)―数学が苦手な我々のために
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紙の本も読みなよ / A-key-Hit
『数字であそぼ』絹田村子 / 小学館
⇧2018年12月10日発売。
<大学の数学を題材とした少女マンガ>
ジャンルは少女マンガですが、読者対象はやや大人向けです。
大学での数学を題材にしているからです。
中学生以下の方には中々興味を持ってもらいにくいかもしれません。
女性マンガ誌「flowers」連載ですが、いい意味で少女マンガっぽくありません。
「flowers」は個性的な作家さんが多いです。
ドストレートな恋愛モノは絶対描かせないという編集方針でもあるのか、
唯一無二の題材やテーマを発掘してきますね。
単なる変化球というよりも、独創性を重視している感じです。
「こんな題材で売れるのか?」と心配になるのですが、結局買ってしまうという。
少女マンガに限れば、なんだかんだflowersコミックを一番買っている気がします。
編集部の戦略にまんまとハマってしまっているのでしょうね。
皆さんは数学が好きですか?得意ですか?
僕は数学が苦手です。(というか得意な科目なんてありません。)
数学が苦手な人ほど、数学ができる人に憧れを持ってしまうものです。
経済学者とか心理学者だと聞いても何とも思わないですが、
数学者と聞くと「死ぬほど頭がいいんだろうな」と思ってしまうのは僕だけでしょうか?
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<あらすじ>
このマンガでは、記憶力だけは抜群に優れている(一度見たものは忘れない)主人公が、その特技を活かして有名大学の理学部に入学するところから始まります。
彼は最初の数学の授業についていけませんでした。
そのことにショックを受け、2年間留年することになります。
復学して再度数学の講義を履修するも、理解ができないのは変わらず。
そこで同じ留年生の友人ができ、彼に数学の基礎から教えてもらえることになります。
数学とは定理や公式を覚えるものではなく、
それらをたとえ知らなくても、考えて理解する学問なのだと。
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<大学の数学>
そもそも大学で数学は何を学ぶのか?
数学科の講義を受けたことがない方には未知の世界ですよね。
高校までの数学で十分高度な気がしますし、これ以上何を学ぶのか。
僕はなんとなく「フェルマーの最終定理」のような問題を1日中考えているのだと
思っていましたが、どうやら違うようです。
大学の数学は、高校まではあやふやだった基本的な定義から学ぶそうです。
例えば
実数とは?有理数とは?無理数とは?
どういうものなのか説明できますか?
このマンガでは
√2の数直線上の位置を決定するために「切断」という概念を使って説明していました。
そういえば『Q.E.D』の15巻の後半で「デデキントの切断」の話があったことを思い出しました。『数字であそぼ』を読んで、ようやく両方とも分かりました。
『Q.E.D』の話をちゃんと理解できていなかったことが分かりました。よかった。
←紙の本は絶版。今は古本屋か電子書籍でしか読めません。
また、円周の長さの求め方は知っているけど、円の面積の公式をまだ習っていないとき、どうやって面積を求めたらいいのか。
この問題に対するトイレットペーパーを使った解説には感動しました。
このマンガの白眉は間違いなくこれでしょう。
「公式を覚えていなくても考えれば分かる」とはこういうことかと体感できます。
受験数学は問題のパターンを記憶して対応すればできますが、
定義や定理の本質は理解されないまま使っている人がほとんどです。
記憶力に頼って生きてきた主人公はまさにそれでした。
記憶力がいいことは頭がいいとはいえません。
知識があっても知恵がない人はむしろバカという部類です。
応用力がある、柔軟な発想力がある、本質をとらえて考えられることが頭の良さだと思います。
公式を覚えることが数学だと勘違いして嫌いになっていた方は、
このマンガを読めば数学の面白さの一端を感じることができるはずです。
自分が受験数学にどれだけ毒されていたのか実感できるかもしれません。
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