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【マンガ】『あゝ我らがミャオ将軍』1巻―社会主義国をカワイくギャグ化!

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紙の本も読みなよ / A-key-Hit

『あゝ我らがミャオ将軍』まつだこうた・もりちか / 徳間書店

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 ⇧2019年5月20日発売。

 

<社会主義国のパロディ>

社会主義という言葉があります。

個人的自由主義や資本主義と対立する概念です。

資本主義が進んで格差が拡大していくと、国民は生活に不安になります。

それを阻止するために、国が全国民の経済的な平等と権利を保障するという考え方です。

「社会保障」という観点は素晴らしいですが、「計画経済」というシステムはうまく機能せずにソ連は崩壊してしまいまいした。

 

 社会主義国といえばロシア、中国、北朝鮮が真っ先に思い浮かびますが、実はキューバやベトナム、ラオス、インド、バングラデシュもそうです。

昔はカンボジアやモンゴルもそうでした。

けっこうブームだったのです。

ソ連が崩壊してからはガチガチの計画経済は取りやめになり、今では北朝鮮を除けば市場経済に移行しています。

 

社会主義国のイメージは、よく北朝鮮のニュースが流れているのであまり良くない印象を持たれている方が多いことでしょう。

 独裁政権が幅を利かし、権力の中枢にいる一部の特権階級の者たちは良い暮らしをしているけれど、大多数の国民は貧困に喘いでいる構図を想像してしまいます。

けれどニュースでは国のトップを讃えることしか言いません。

体制を批判しようものなら逮捕されて監禁されてしまうので、国民たちは権力者や警官が近くにいるときは追従しか口にしません。

 

このマンガは、そんな社会主義国のパロディです。

ギャグマンガです。

もし北朝鮮で出版されたら、即発禁処分ものでしょう。

 

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<あらすじ>

 架空の社会主義国家・コルドナ。

(韓国の東に位置する島国という設定です。)

最高指導者による絶対君主制を採用しています。

 徹底した先軍思想により国際緊張を高め、世界から完全に孤立していました。

 

そんな中、最高指導者が急逝してしまい、世襲制により9歳の少女(ミャオ・チョビロフ)が後を継ぐことになりました。

彼女が主人公です。

しかし彼女は政治のことは全く分かりません。

ミサイルを誤射してしまったり、国の宣伝映画を作ったり、国民的歌手になってみたり、国旗を作り変えてみたり、トラブルしか引き起こしませんが、周囲の部下に支えてもらいながら、可愛さだけで乗り切っていきます。

 

彼女の気に食わない忠告をしてくる部下は、すぐに粛清(1週間トイレ掃除の義務化など)します。

まだ9歳なので友達とすぐに遊びたがります。

 果たして彼女は国家をうまく統治することができるのでしょうか。

 

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<まとめ>

一番面白いのは、ミャオが公園に視察に訪れる第3話です。

 彼女は公園で遊ぶ同年代の子どもたちを目にして、仲間に入れてもらおうとします。

しかし子どもたちは彼女がこの国の最高指導者だと分かると、彼女を礼賛する言葉しか口にしなくなります。

 

「みんな何して(遊んで)たの?」と聞くミャオに対して、

「ばんざーい!ばんざーい!コルドナの偉大な指導者様ばんざーい!」と大合唱した後は、

「私はこの国と共に戦う勇敢で立派な兵士になるために、将軍様(ミャオ)の与えて下さったこの公園で肉体と精神を鍛えておりました」

とか、

「私は大いなる慈愛の心と春の風のような優しさをもったミャオ将軍様のような女性になるべく、将軍様にお作り頂いたお人形で家族愛や育児を学び、この国に貢献できる家族をー(以下略)」

といった追従ばかりで会話が成立しません

 

彼女は「そういうの いらないって!」と言いますが、

子どもたちにはミャオの言う意味が理解できません。

おそらく毎日のように親や大人からそういう価値観を刷り込まれてきたのでしょう。

権力者が目の前にいるときはゴマをすりまくれと。

 

実際に金正恩のような最高指導者たちも、国民や部下が無理に自分を礼賛していることに気付いているはずです。

追従を本気で受け止めてうぬぼれてしまうほどバカではないはずです。

しかし体制維持のために、やめろとは言えません。

どういう気持ちで毎日その言葉を聞いているのでしょうか。

しんどくならないのでしょうか。

毎日周囲の人間が自分を褒めたたえることしか言わないのなら、誰も本当のことを話していないと思うようになり、他人を信用できなくなるでしょう。

このマンガを読んで金正恩に少し同情しました。

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