【マンガ】『引っ越し大名三千里』―参勤交代よりも無茶な指令【映画化】
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『引っ越し大名三千里』原作:土橋章宏 / 作画:永田狐子 / 小学館
⇧2019/8/8発売
2巻は201912/19に出ました。
原作は同名の小説で、角川春樹事務所から出版されています。
2019年の夏に、星野源さん主演で映画化もされました。
他に高橋一生さん、高畑充希さん、及川光博さん、濱田岳さんなどが出演されています。
<参勤交代よりも大変な制度>
江戸時代には参勤交代という制度がありました。
全国の大名たちが2年ごとに江戸に参勤し、1年経ったら国元へ引き上げるという規則です。
参勤交代では、旅費だけでなく江戸の滞在費までも、大名が負担しなければなりませんでした。
そのため、各藩には毎回莫大な出費が強いられます。
結果として大名たちの勢力を削ぎ、謀反を抑える効果を生みました。
ちなみに参勤交代の本来の目的は、徳川将軍家に対する軍役奉仕です。
そんな参勤交代よりも大変な、「国替え」という制度がありました。
国替えとは、幕府の指定した土地に藩が丸々引っ越すことです。
つまり指定された期限以内に、藩士とその家族・使用人、犬猫家財道具総出の大移動を済ませなければいけません。
その規模は参勤交代以上です。
国替えの総責任者は、「引っ越し奉行」と呼ばれました。
引っ越しに失敗すれば、その者が切腹しなければいけません。
この漫画は、生涯に七度の国替えをさせられた不運の君主・松平直矩の姫路藩が舞台です。
ノウハウも資金もない状態で引っ越し奉行に任命された主人公が、知恵と知識で国の存亡をかけた難関プロジェクトに挑みます。
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<あらすじ>
家格は良いものの、書庫番として引きこもり生活をしている青年・片桐春之介。
彼は幼い頃から武術も算盤もダメで、両親や周囲の人間から「藩始まって以来のグズ」として笑われてきました。
今では、家柄で期待され、やがて自分の才能のなさに失望されるというパターンに嫌気がさしています。
彼は一人で書物ばかり読んでいるので、知識だけは豊富でした。
天和二年(1682年)。
姫路藩(兵庫県)は5度目の国替えを幕府から命じられました。
期限は2ヶ月以内。
移動先は豊後(大分県)です。
つまり海を渡らねばなりません。
姫路藩では、引っ越し奉行を誰にやってもらうかでモメました。
誰も切腹したくないですし、これまでその役を引き受けた者は、激務により全員廃人同然となっているからです。
春之介の友人の鷹村は、出世話だと思い、引っ越し奉行に春之介を推薦しました。
初めは渋っていた春之介でしたが、家老から正式に引っ越し奉行に任命されてしまいます。
大役を引き受けたはいいものの、何から手を付けていいのか春之介はまるで分かりません。
まずは、引っ越し奉行の前任者である板倉重蔵に会いに行くことにしました。
ところが板倉は寝込んでいて、話せる状態ではありませんでした。
そこで、板倉の引っ越し事業を手伝ったという娘の於蘭に事情を説明し、引っ越しの手順書とアドバイスをもらいました。
引っ越しの運搬や片づけを実際に行うのは、中間(ちゅうげん)や雇われの人足(にんそく)たちです。
まずはその者たちを集めなければなりません。
そして、大量の人を雇うには多額のお金が必要になります。
引っ越し費用には少なく見積もって二万両かかり、今の姫路藩の金蔵には7千両しかありません。
不足分は春之介がなんとか工面しなければいけないのです。
春之介は金策のために、勘定奉行の中西に会いに行きました。
中西は前任者の板倉と親しく、彼の現在の苦境も知っていたため、金策にはすでに諦め気味でした。
「お前には無理だ」と言われた春之介でしたが、藩の帳簿を見ているうちに名案が浮かびます。
彼らは金貸しの川北屋を訪れ、運命の交渉が始まりました。
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<まとめ>
姫路藩の「引っ越し奉行」に任命された引きこもりの春之介が、超大規模の国替えプロジェクトに挑みます。
失敗すれば切腹なので、命がけです。
春之介には金もコネもノウハウもありません。
果たして、どうやってこの一大事業を完遂するのでしょうか。
絵柄は非常に独創的で、見ているだけで楽しいです。
上手くて見やすいだけでなく、江戸時代という舞台設定にもマッチしています。
少年漫画ですが、政治・経済・ビジネス的観点からも面白い作品です。
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