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【心理学】『思考のトラップ』—人は思い込みと偏見のかたまり

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紙の本も読みなよ / A-key-Hit

『思考のトラップ』デイヴィッド・マクレイニー / 訳:安原和見 / 二見書房 

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⇧ マンガみたいなタイトルです。

つられて買ってしまいました。

 ジャンルは「心理学」にカテゴリー分けしましたが、書店ではビジネス・自己啓発系の棚に置いてあると思われます。

 ちなみに原題は『You Are Not So Smart』。

あなたはそんなに賢くない」ということです。 

 

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<人は思い込みで生きている>

 人は誰でも、自分が「ある程度は理性的で判断力のある人間だ」と思っています。

その程度も行き過ぎると「うぬぼれ屋」とか「自信家」とみなされますし、

程度が弱いと「いつも流されてばかりで自分を持っていない奴」とみなされることは知っています。

しかし、自分はまあ平均の範囲内だと思い込んでいるものです。

 

そこで皆さんに朗報です。

この本では、人は誰もが「うぬぼれ屋」で「流されやすい」性質を持っていて、

しかもそれを自覚していないことを教えてくれます。

 

世間でまかり通っている「ウソとホント」を48個も具体例とともに列挙してあります。

 

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<思い込みの例>

 例えばこんな感じです。

 

①:

《ウソ》

新しいことを学んだあとは、それ以前の自分がいかに無知だったか、いかに間違っていたか、ちゃんと憶えている。

《ホント》

人は、自分が今学んだばかりのことを振り返って、ずっと前から知っていた、あるいはそうだと思っていたと思い込むことが多い。(あと知恵バイアス

 

②:

《ウソ》

因果関係を考えるときは、偶然の可能性もつねに考慮に入れている。

《ホント》

人は偶然の可能性を無視しがちである。

結果に意味があるように見えるとき、あるいはランダムな事象に何か原因があると考えたいときは特にそうだ。

 

③:

《ウソ》

災害が襲ってくると、闘争ー逃避本能が発動して、人はパニックに陥る。

《ホント》

危機に直面すると人は異常に冷静になり、何も危険はないというフリをすることが多い。(正常性バイアス

 

①は「言われてみればたしかにそうだ」という感じです。

なぜそうなるかというと、自分のプライドを守るためだそうです。

我々の心は、自分が傷つきそうなら自分に嘘をつくのです。

そしてそのウソを自覚することは、ほとんどありません。

 

 

②は陰謀論によくある思考です。

リンカーンとケネディはどちらもアメリカの大統領で、二人とも銃で射殺されました。

二人とも殺されたのは金曜日で、妻の隣に座っているときでした。

暗殺者のミドルネームはどちらも15文字で、どちらも裁判が始まる前に殺されています。

リンカーンは「フォード」劇場で暗殺され、ケネディは「フォード」社の製造したリンカーンに乗っているときに暗殺されました。

暗殺後に大統領になった人物は、どちらもジョンソンという名前でした。

果たしてこれが偶然だろうか?

・・・という思考です。

偶然じゃないように考えてしまいますよね。

マンガや映画の見すぎともいえますけど。

 

③は少し意外な感じもしましたが、言われてみればそうかもなと思います。

普段から災害訓練をしていない人は、いざという時、即座に行動に移せません。

大型台風が迫っているからと避難勧告が出ていても、「まあ大丈夫だろ」と考えて冷静なフリをして行動に移さない人もいます。

人は大抵、昨日まで続いた毎日が今日もやってくると思っています。

何か災害のニュースを聞いただけだと、いつもの日常の延長でしか考えが及ばないものなのです。

これも自分の心を守るため、落ち着かせるための自己防衛作用です。

しかし皮肉にも、それが自分の身に危険が迫ることになるときもあるのです。

 

「自分にウソをつく」というと、

「人間の本性はズルいもの」ととらえてしまいがちです。

けれど別に悪意があってそうしているのではなく、心の自己防衛のためだったり、

はるか昔、野生動物から生き残るために思考のショートカットする必要があったからそうしているに過ぎません。

つまり判断を早めるための方便という本能がそうさせているのです。

 

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<カタルシスのウソ>

一番衝撃的だったのはカタルシスに関するウソです。

これは正直、全く知りませんでした。

 

《ウソ》

怒りを吐き出す(ガス抜き)のはストレスを緩和する良い方法で、

友人や家族に八つ当たりするのを防いでくれる。

《ホント》

 ガス抜きをくり返すと、攻撃的な行動が強化される。

 

というものです。

 

ストレスや怒りがたまってイライラしたら、

ジムに行ってサンドバックをブチのめしたり、ゲームで人を撃ち殺したり、

枕に顔をうずめてわめきたてると、一瞬はスッキリして気持ちがいい。

けれど今後の行動パターンに悪影響が出るそうです。

頭がちゃんと働かなくなるし、一瞬は気持ちがいいので今後はその方法を積極的に求めたくなるからだとか。

 

怒りのエネルギーを運動などの活動に向けることも間違っているそうです。

それは単に、興奮レベルを維持あるいは増大させるだけであり、その後はさらに攻撃性が高まるのだとか。

怒りに対応する前に、リラックスするか、攻撃とはほど遠い活動をして気を紛らわすことが薦められていました。



なかなか冷静に実行できることではないかもしれませんが、

知ることができてよかったです。

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