【新書】『刑事ドラマ・ミステリーがよくわかる 警察入門』―より深く楽しむために
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紙の本も読みなよ / A-key-Hit
『刑事ドラマ・ミステリーがよくわかる 警察入門』実業之日本社
←2014年出版。
警察官が出てこないミステリーはほとんどありません。
しかし、我々一般人は、警察官についてあまり知りません。
ドラマや小説に登場する警察官の設定が、全部現実と同じだと思っている人はさすがにいないでしょうが、どこまでが本当で、どこからがフィクションなのかは意外と分からないものです。
この本は、ガチガチに警察のことを勉強しようとするためのものではなく、
「あのドラマのあの設定はどういうことなの?」という軽めの疑問を解消して、
今後、鑑賞するドラマや小説をより理解できるような雑学を、楽しみながら知ることができる本です。
以下、気になった雑学を列挙していきます。
(こんなの当たり前でしょと思われた方は素直にすごいです。
単に僕が知らなかっただけということです。)
◎捜査一課はキャリアではなく、ほぼ100%ノンキャリア
➡いわゆるキャリアの方は最初から管理職なのだそうです。キャリアは組織や人事の管理・運営が仕事として求められているのであって、事件現場に出向くことはないそうです。
キャリアとノンキャリアは採用されたときから、要求される仕事内容が違っているんですね。(僕は、出世した人が管理職になっていくと思っていました。)
つまり、ドラマなどでは殺人事件が起こって捜査を担当することになる捜査一課が、刑事の花形のようなイメージがありますが、そういう仕事を担当したいなら、キャリアで採用されたらダメってことです。
◎「SIT」の呼び名の由来
➡盾や銃を構えて武装し、凶悪犯が立てこもるビルに突入する場面などでおなじみの「SIT」ですが、「Special Investigation Team」の略ではなく、「捜査一課特殊班」の略だったそうです。
だ・・ダサい。NHK(日本放送協会)と同じ方式じゃないか!
◎SPに眼鏡をかけている人はいない
➡ドラマ「SP 警視庁警備部警護課第四係」では山本が普通に眼鏡をかけてましたが、本来は格闘になった際に邪魔、もしくは危険という理由から、眼鏡を着用している人はいないそうです。
たしかに、レンズが狙われたら目が危ないのでリスクでしかないですね。
合理的~。
◎ドラマ『科捜研の女』はアメリカより早い
➡沢口靖子さん主演の人気ドラマ『科捜研の女』は1999年から放送開始されたそうです。僕はてっきり、アメリカのドラマの科学捜査モノを取り入れた(パクった)ものだと思っていたのですが、違うようです。
アメリカの人気ドラマ「CSI:科学捜査班」は2000年から開始されたとのこと。
◎雑用と諸経費はすべて所轄が負担する
➡「踊る大捜査線」をはじめ、よく扱われる対立軸として、本部と所轄があります。
本部はあくまで応援であり、責任は所轄にあるそうです。
そのため、雑用と諸経費はすべて所轄が負担するそうです。
捜査本部用の部屋と机、椅子などの確保と設営、捜査会議でのお茶出し、資料作り、仮眠用布団のレンタルなどもすべて所轄員の役目だとか。
サービスしすぎじゃないですかね?同じ警察官なのに。
◎警察官の拳銃自殺
➡2006年~2010年の5年間での警察官の拳銃自殺の数は30人だそうです。
過酷な現場が多いので精神をやられてしまう方が多いのはうなずけます。
どの職場でもそうですが、精神疾患は皆隠そうとします。
特に警察では、過酷な現場を強い精神力で乗り越えてこそプロといった意識があって、内部では弱音を吐きづらい雰囲気がまだあるそうです。
◎情報屋に支払われる謝礼は経費で落とせる
➡昔は刑事たちがポケットマネーで払っていたそうですが、現在では経費で落とせるそうです。
マジかよ。今もポケットマネーだと思っていました。
領収書なんか出るわけないし・・・偽の経費を請求し放題じゃないですか?
本当に情報屋にいくら払ったかなんて、どうやって証明するんでしょうか。
謎です。
他にも色んな雑学知識が書かれていて、刑事モノ好き、ミステリー好きな方は楽しめる本になっていますよ。
巻末の「刑事(デカ)用語集」も面白いです。