【小説・文学】『ガリヴァー旅行記』―行こう龍の巣へ!ラピュタはそこにある
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『ガリヴァー旅行記』ジョナサン・スウィフト / 訳:山田蘭 / 角川書店
岩波や新潮からも出ていますが、一番新しい訳の角川を選びました。
1700年代に書かれたので、なんと300年前の小説だ。
そんなに前に書かれたものだったんだと驚かれる方も多いのでは?
有名なエピソードは、ガリヴァーが小人の島に漂着して、最初は縛られたりして怖がられたけど仲良くなっていって最後は島を去っていくというものですよね。
小さい頃に童話絵本などで読んだりしてそれだけは知っていると。
小人の国というのは、収録されている内の1つのエピソードに過ぎません。
主人公・ガリヴァーは旅行好きで、世界各地に冒険します。
『ONE PIECE』みたいな感じです。
巨人族の島、空島、魚人族の島など各島で各エピソードがありますよね。
ジブリアニメの元になった「天空の城・ラピュタ」も登場します。
(まあアニメでパズーが自分で言ってますが・・)
ラピュタ内の詳細な構造や、飛行石なんかの設定は宮崎駿氏の創作です。
「PSYCHO-PASS サイコパス」で槙島聖護の言っていた「バルニバービの医者」のエピソードもあります。槙島の言うことは難しいので原典を当たらねば深い理解は得られません。
そして何といってもこの作品の白眉は最後に収録のエピソード(島)。
馬が知性と品性を獲得し、人間が家畜のような存在の島です。
『ジョジョの奇妙な冒険』を人間賛歌だとするなら
この「フウイヌム国渡航記」は全く逆である。
とにかく人間の醜悪さ、怠惰さ、愚劣さ、野蛮さに焦点を当てて、当時のイギリス社会を批判・風刺しようと試みられています。
嫌な気持ちになりますが、一理あるなと思わせる表現も少なくありません。
まあ300年前の小説なので、その辺を割り引いて考えないとダメですが、
著者の東洋人への偏見もひどい。
もはや逆に面白くなってくるレベルのひどさ。
この頃から考えれば、世界は誤解や偏見が少しずつ改善されていってはいるんだなと実感できます。
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