【マンガ】『pet』全5巻―他人の記憶を操作できる者たちのサスペンス【2020年1月~アニメ化】
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紙の本も読みなよ / A-key-Hit
『pet リマスター・エディション』三宅乱丈 / エンターブレイン
⇧1巻は2009年10月発売。
全5巻で完結しています。
ビッグコミックスピリッツに連載されていた作品の「完全版」です。
2020年1月からアニメ放送が開始されます。
TOKYO MX、BS11、AT-X。
Amazon Prime Videoにて配信されます。
<記憶操作能力>
よく漫画や映画に登場する催眠術師や超能力者たちは、他人の記憶を操ることを非常に簡潔にやってのけます。
その様子を丁寧に描くとストーリーの本筋から外れてしまうという事情もあり、操られる者の感情や心理の誘導過程が詳細に描かれることは、ほとんどありません。
この漫画ではそういった超能力者による心理操作・記憶操作の過程が丁寧に描かれています。
この本を読めば、他人の頭の中にある特定の記憶だけを意図的に書き換えることは、かなり難しいのだと分かります。
ある記憶は別の記憶と密接につながっており、部分的に記憶を改竄すると、他の記憶と矛盾点が生じてしまい、その正しさが疑われてしまうからです。
超能力者の目的は記憶を混乱させることではないので、そうなれば失敗です。
そして失敗しても元には戻せません。
逆に言えば、記憶操作術を悪用すれば、簡単に人の精神を破壊することができるということです。
この漫画は、ヤクザに始末屋として使われている記憶操作能力者たちが、自身の生存とアイデンティティをかけて戦うサスペンスです。
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<あらすじ>
感受性の強すぎる子どもである悟は、両親の不仲や母親のマイナス感情に当てられて、心を閉ざしてしまいました。
悟は外見からは感情を失ったように見えますし、会話も成立しません。
彼はいつも同じアニメばかりをボーっと見ているだけでしたが、母親の感情が乱れるとそれに反応し、突如大声を出したりします。
息子の育児に疲れた母親は、彼を病院に連れていきました。
病院の待合室でテレビを見ている悟に、ある男(林)が近づいてきました。
林は超能力者です。
彼は他人の心に入り込んで心象風景の中で会話することにより、その人の感情や記憶を操作することが出来ます。
彼はその能力を使って悟と話をして、悟にも林と同じ超能力の才能があることを見抜きました。
その後、両親を交通事故で亡くした悟は、祖母に引き取られることになりました。
その祖母の家に、林と彼の上司の桂木がやって来ます。
実は桂木たちはヤクザの一員で、超能力を使ってターゲットの精神を崩壊させたり、事故に見せかけて自殺させたりする仕事をしていました。
彼らは悟に超能力の才能があると知ってから、彼を手に入れるために両親を殺害する計画を立てていたのです。
そして二人は、今度は悟の祖母の精神を破壊し、悟を組織(「会社」と呼んでいる)に連れていくことに成功しました。
それから10年ほど経過し、悟は林の指導の下、他人の記憶を操る能力をコントロールできるようになり、日常会話も日常生活も出来るようになっていました。
しかし2年前から林は姿を消し、組織は彼の行方を探していました。
今の悟は、林の上司だった桂木と組んで仕事をしています。
一方、同じ組織内には、悟と同じように過去に林から教育を受けた青年・ヒロキと司がいました。
彼らもまた超能力を使って、組織に指定された人物の記憶を操作する仕事をしています。
彼らは(特にヒロキは)ターゲットを事故に見せかけて自殺させたり、精神崩壊させて廃人にさせたりするやり方には嫌気がさしており、できれば最小限の記憶操作だけで済ませようとしています。
逆に桂木は、さっさとターゲットの精神を潰してしまいたい派です。
両者の意見は対立しているのですが、上司の桂木よりも部下のヒロキの方が圧倒的に記憶操作能力が高いため、桂木の意見はすんなり通りません。
ある日、中国に渡っていたと思われた林が、今日本に潜伏しているという情報が入って来ました。
能力が高い代わりに情緒不安定なヒロキは留守番として置いておき、桂木と司で林の潜伏先に向かうことになりました。
悟も別のホテルで軟禁状態で留守番を命じられていましたが、脱出してヒロキに会いに行きました。
そして自分達には組織の監視が常についていることを知らせます。
それにより、ヒロキは相棒である司が自分に色々隠していることに気付きます。
桂木と司は林の隠れ家に到着して、こっそりと林の身柄を確保しようとしますが、林は彼らがやって来たことに気付き、迎え撃つ行動に出ます。
果たして彼らの関係性はどうなってしまうのでしょうか。
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<まとめ>
他人の記憶を操作できる者たちが戦うサスペンスです。
記憶操作の過程を心象風景を通して丁寧に描いているにもかかわわらず、意外とスピーディーに展開が進みます。
能力者同士でも記憶操作をかけられるので、誰もが油断できません。
誰が誰の味方なのか、人間関係が入り組んでいて、常に緊迫感があります。
登場人物たちの過去は謎めいているし、先の展開も読めないし、読者の引き付け方が上手いです。
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