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【科学】『へんな毒 すごい毒』―毒の雑学

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紙の本も読みなよ / A-key-Hit

『へんな毒 すごい毒』田中真知 / 筑摩書房

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 ⇧2016年11月に文庫版発売。

 

<毒物の致死量について>

 ミステリーを読んでいると、犯行で毒物を使用されることが時々あります。

その場合、その毒物の「致死量は〇〇mg」という説明がよくされます。

それはどうやって計測しているのでしょうか。

 

「半数致死量」という単位があるそうです。

ある物質を与えて、被検動物の半数が死亡する量のことです。

つまり10匹のマウスにある物質を投与して、5匹死亡したときの分量です。

単位は「LD50」と表記するそうです。

 

例えばトリカブトの毒成分・アコニチンは

LD50=0.3(mg/kg) です。

これは体重1kgあたり0.3mgのアコニチンを摂取すれば、

10人中5人は死ぬということです。

体重60kgの人なら、60×0.3=18mgのアコニチンが必要だということです。

 

半数致死量=致死量というわけではないですが、

ミステリーの文脈においては、ほぼイコールの意味で使用されています。

いちいち「半数」ってのはつまり~・・・と説明してたら、ストーリーのテンポが悪くなりますからね。

けれど「致死量」という字面だけを見ると、「その分量で100%死ぬ」という意味にとってしまいます。

 

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<毒に関する雑学>

 この本では、そういった毒物に関する豆知識が書かれています。

毒物といっても、その種類は多岐にわたり、動物由来、植物由来、鉱物由来、あるいは人工の毒物があります。

各ジャンルで代表的な毒物が、バランスよく紹介されています。

 

 その中で面白くて意外だった雑学を紹介します。

 

 

「ハチに刺されたら尿をかけろ」は間違い

上記の民間療法のような伝承がありますが、それはウソです。

酸性の毒に対して、アルカリ性のアンモニア水をかけると毒が中和されますが、

ハチの毒成分は酸性ではなく、いずれも中性に近いそうです。

そして、そもそも人間の尿にアンモニアは含まれていないのです。

(肝臓でアンモニアは尿素に変換されて排出される。)

 つまり、尿をかけても意味がないということです。

 

 

レトルトは無菌ではない。

生物由来で最強レベルの毒性をもつボツリヌス菌は、嫌気性(酸素がない状態を好む)細菌です。

そのためレトルト食品、缶詰、瓶詰などの密閉容器の中で発生しやすいとのこと。

真空パックは、酸素を遮断して細菌の繁殖を抑制し、酸化を防止することを目的に食品に導入されたものです。

そのため長期間の保存には適していますが、嫌気性細菌にとって真空パックほど繁殖に都合のいい環境はないともいえるそうです。

レトルト食品はなんとなく無菌でキレイだと思っていたのですが、別にそういうわけでもないみたいです。

レトルトの袋がふくらんでいたら、廃棄した方が安全です。

 

ちなみに細菌の芽胞は長時間高温で加熱しても耐え抜くものがいるので、

煮沸消毒したから食べてもOKというわけではありません。

 

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ピーマンの苦みはアルカロイド

子どもの嫌いな野菜No.1はおそらくピーマンでしょう。

理由は苦いから。

苦みの正体は、毒成分のアルカロイドです。

(微量なら食べても大丈夫。)

 

古来より「苦いものは毒・危険」だと本能に刷り込まれているから、子どもはそれを口にすることを忌避するのです。

しかし人間は大人になってくるにつれ、苦みに対して鈍感になっていきます。

他の霊長類と比べて、ヒトは苦みの感受性が退化しているそうです。

狩猟や木の実採集によって生き延びる時代が終わって久しいので、味覚が鋭敏である必要性がなくなってきたからかもしれません。

進化の過程で変化したといえば聞こえはいいですが、要は元々あった能力が欠落していっているというだけです。

 

子どもは大人に対して、

「味覚が退化、鈍化しているだけなんだから、

辛い物や苦い物が食べられるだけで偉そうにするな。恥ずかしいぞ」

と言っていいのです。

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