【エッセイ】『ハッカーと画家』—違う分野でも、上手い人にはどこか共通点がある
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『ハッカーと画家』ポール・グレアム / 訳:川合史朗 / オーム社
「アイデアというのはゼロから生み出すものではなく、何かと何かの組み合わせだ」
ということを『シャーマンキング』の武井宏之氏がおっしゃってました。
確かにそうなのかもしれません。
ゼロから何かを生み出すのは至難の業ですが、適当な何かを組み合わせればアイデアになるのだったら、アイデアを考える心理的ハードルは低くなります。
もっと気楽に考えていいんだよってことですね。
ただ、ありきたりな組み合わせだとありきたりなアイデアしか生まれません。
その組み合わせ方が難しいわけですが、考えるのは楽しいものです。
「ハッカー」と「画家」とは珍しい組み合わせです。
決して交わることがないような無関係なイメージがあります。
しかし珍しいからこそ共通点が発見できたときは面白いし、斬新な視点を獲得できます。それこそがアイデアの価値だと思います。
著者はハーバード大学で計算機科学の博士号を取得し、デザイン学校やフィレンツェの美術学校で絵画を学んだそうです。
つまり「ハッカーと画家」とは著者のことだったのです。
こんな経歴をもった人は世界でもまあいないでしょう。
こういう方の思考というのはそれだけで希少価値がありますが、単純なエッセイとして見ても普通に面白い内容です。(読者を挑発している。)
そもそも日本で蔓延している誤解として、「ハッカー」という言葉の意味は、コンピュータに侵入する人のことだと思われています。
プログラマーの間では優れたプログラマーのことを指します。
魔法使い、ウィザードと同じような意味で使われます。
詳しくは『王様達のヴァイキング』(さだやす)をお読み下さい。
←ハッカーと投資家コンビがITで世界を獲る話
著者によれば、ハッカーは画家や建築家、作家と同じ、ものを創る人々だそうです。
ハッカーも画家も上手い人には共通点があって、大枠を書いてから細部を描くそうです。まずは「アタリをつける」ということですね。
計画を練ったり、準備を怠らないということではなく、
下描きで何本かの線を引いてから、本番でそのうちの1本を選択するということです。
すいません、上手く説明できません。
『ライジングインパクト』(鈴木央)でランスロットと黒峰がパター対決するシーン。
黒峰のパターの狙い方みたいな感じという例えはさらに分かりにくいでしょうか?
←ゴルフマンガ。週刊少年ジャンプ連載。