【小説・ミステリー】『眼球堂の殺人』―昔ながらの「陸の孤島」モノ
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『眼球堂の殺人』周木津 / 講談社
「〇〇堂シリーズ」の第1作目です。(メフィスト賞)
綾辻行人氏の「館シリーズ」に似せているのでしょうか。
解説によればトリックは先行例があるそうですが、僕は知らなかったので普通に楽しめました。
トリックを多く知っているのも考えものですね。
まあ僕は既読のものでもトリック、ストーリー、キャラクターと片っ端から忘れていきますので、覚えているトリックがあまりありません。
登場人物名なんて読んでいる最中ですら忘れていきます。
普通はもっと覚えているものなのでしょうか?
この小説のトリックはダイナミックで、数学的モチーフと眼球という生物学的構造のモチーフがうまく融合して面白い設定になっています。
天才建築家の邸宅である眼球堂に、各分野で天才といわれる学者が招待されます。
同じメフィスト賞の『クビキリサイクル』(西尾維新)と似てますね。
主人公は数学者。(探偵役)
第1の殺人事件が起こったあとに、連絡手段と帰路が絶たれます。
眼球堂に閉じ込められた招待者たち。
さらに次の殺人が起こります。犯人は誰か?その目的は?
陸の孤島というクローズド・サークルが形成され、次々と殺されていく人々。
こういったオーソドックスなミステリーは昨今ではむしろ珍しくなっています。
昔ながらの本格ミステリーの一形式なのに・・・なぜでしょうか?
需要がないのでしょうか?
僕は好きなのですが残念な風潮です。
密室もなく、フェアでもない(本格ミステリーではない)ライトなミステリーが今は流行っているような感じがします。
そういうサラッとミステリーやってるスナック菓子みたいなのもたまにはいいのですが、「密室+本格」といった形式美をガチガチに追求した(硬いせんべいみたいな)ミステリーも面白いですよ。
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