紙の本を読みなよ

主に読み終わったマンガ、小説、その他の本についての感想です

【小説・SF】『マルドゥック・スクランブル』―これを超えるブラックジャック(カジノ)小説は絶対にない!

マルドゥック・スクランブル冲方丁 / 早川書房

f:id:A-key-Hit:20181109201140j:plain

カジノでのブラックジャックにおいて、一発退場モノの反則は「カウンティング」と呼ばれる熟練技です。

カウンティングとは

これまでに使用されたカードを記憶して、未使用カードの中にどんなカードがどれくらい残っているかを読むことです。

(1デックの中にはAが4枚、絵札が12枚あります。実際のゲームでは1デックでは行われず、6デックを一山としたり様々です。当然のことながら、1デックでやるよりもはるかにカウンティングが難しくなります。)

 

この小説ではバリバリにカウンティングします。

カジノ側もイカサマをしてくるので、対抗戦術です。

 

ポーカーやルーレットという前哨戦はありますが、それはカジノでチップを稼ぐための小手調べ的な要素に過ぎません。ブラックジャックにしろ何にせよ、チップが多くあった方が有利なのは間違いありませんから。本番に向けて資金を増やすのは当然です。

 

著者が自らの意志でカンヅメになり、命を賭けて書き切ったと自負するのに十分な内容です。この小説を読んだ後は、ブラックジャックを扱った他の小説は確実にショボく見えます。

確実!そう、コーラを飲んだらゲップが出るくらい確実ですッ!

 

少女娼婦バロットと万能兵器に変身できるネズミのウフコック。

このコンビが自身の存在価値と生命を賭けて敵と戦う。

前半は最強の敵・ボイルドとその刺客たちとのバトルアクション。

後半はカジノでの心理戦。

どちらも非常に質が高く上手い。前半が見事に後半の伏線になっています。

マルドゥック・ヴェロシティ』『マルドゥック・アノニマス』とシリーズ化してますが、この第1作目が最強に面白いです。