【小説・SF】『スペース金融道』―人工生命からどうやって金を取り立てるのか
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紙の本も読みなよ / A-key-Hit
『スペース金融道』宮内悠介 / 河出書房新社
宇宙を飛び回り、あらゆる生物に金を貸し、どんな状況からでも債務者から金を取り立てる金融屋・新星金融。
無茶ぶりドS上司・ユーセフと、彼に振り回されてばかりの部下である「ぼく」(主人公)のコンビが、毎回変な債務者の元へ取り立てに訪れてトラブルに巻き込まれます。
取り立てと言っても『ウシジマくん』よりかは全然陰鬱ではないし(むしろ明るい)、
ガチガチの金融理論、法律で畳みかけるわけでもありません。
とんちの効いたコントのような話です。
『宇宙探偵マグナス・リドルフ』のような展開と読み味。
金を貸す相手も、ある星の上空を覆う植物だったり、人工生命だったり、人格をコピーし続けている何百年前のアンドロイドだったり、
どうやって金を貸したのか?どうやって取り立てるのか?
そもそもなぜ金が彼らに必要だったのか?とメチャクチャな設定ばかり。
(↑褒めてますよ)
それらがラストで綺麗にオチがついて終わります。
上手いですね~。
特殊な設定なのに綺麗に話を収束させる技を見せられると感動します。
楽しいし、嬉しいし、驚くという感情が味わえるのは上質な物語に出会えたときのみ。
お見事。
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