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【マンガ】『BLUE GIANT SUPLEME』(6巻)―生涯忘れられないフェスがはじまる

BLUE GIANT SUPLEME』石塚真一 / 小学館

 新刊カバーの感じがこれまでとは違うのですぐに見つけられませんでした。

今までは黒か青を基調としたテイストで、タイトルも太字だったので

そういう感じのものを無意識に探していたからです。

6巻はタイトルも細字で、字体もラフさがない。

キャラクターに合わせたということでしょうか。

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5巻ではメンバーを結成したが失敗した初ライブ。

そのままヨーロッパを巡るツアーへと出発しました。

6巻ではツアーで各地を訪れて、一つ一つ成功させていきます。

ピアノ担当のブルーノは、かつてのライバルだったクラシック界の新星・マレクと再会し連弾をすることに。その動画がネットでバズり、ライブでも客数が少し増える。

そしてジャズフェスティバルに参加してみることにする。

そのフェスは第1回目であり、無名なので規模も小さく有名なバンドは1組だけしか参加しないとのこと。オーディションにも合格し、演奏の順番も決まり、いよいよ本番が目前に控えていた。

主人公・大は、フェスを成功させようと奮闘する運営委員の人達の熱意に打たれる。

 

フェスに限らず、何かのイベントを立ち上げて成功させるのは初めが一番難しいものです。知識がなく勝手が分からないし、技術的な試行錯誤も一番必要だし、協力者も最も少ない時期だから。

無名というのは、色んな人に頭を下げて回り、くだらないと思うようなトラブルも全部自分たちだけで乗り越えないといけないし、多くの理不尽を味わう時期だ。

けれど、目標があるから頑張れる。

大は「世界一のジャズプレイヤーになる」と公言していますが、世界一の人間ならどうするかというマインドが学生時代から備わっているような気がします。

彼をめちゃくちゃカッコよくさせているのはそのせいです。

 

フェスの準備で走り回っているスタッフを眺めて、ブルーノたちは

「運営が忙しそうだからって手伝わないと悪い気がするなんて思うのはプロ意識が低い。運営は運営に任せるべきだ。俺たち(プレイヤー)は全てを音楽で返せばいい。だろ?」と言って手伝おうとはしません。

その横で、大は器材運びを手伝います。「なんでも言ってくれ。力はあるから」と。

 

ええカッコしいでも、単に優しいからってわけでもない。

おそらく彼は、運営委員たちと同じレベルで「フェスを成功させたい」と思っている。

毎日の努力はもちろん怠らない。

しかし「成功する」という結果にも人一倍こだわっている。

多くの人達の協力を得て、ヨーロッパの地に立てているからだ。

成功させるためにはどんな苦労も厭わない。それを苦労だと思わない。

そういう人間性が、いずれ彼を世界一のプレイヤーにする。