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【小説・文学】『駆込み訴え』―伊沢さん、難しいです。

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紙の本も読みなよ / A-key-Hit

『駆込み訴え』太宰治 / 新潮社(『走れメロス』収録)

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クイズ番組「東大王」で井沢拓司さんが紹介されていたので読んでみました。

中学生のための「読書入門」としてどういう作品がいいかという質問に対する回答でした。

紹介理由としては「入門ということで、まずは日本語が綺麗な文章で書かれていて分かりやすいもの」ということでした。

 

内容は、イエス・キリストを裏切る直前のユダの内面の独白という20ページくらいの短編なのですが・・・

確かに文章はキレイでブレない安定感はあるのですが、分かりやすいかと言われれば少々疑問です。

最後の一行で独白主の正体が分かる(ユダが自分で名乗る)のですが、イエスとユダの関係性(12使徒の一人)を知っていないとイマイチ面白くないし内容もモヤモヤして消化不良のまま読み終わりそうな気がします。

 

子供の頃の僕がアホすぎたのでしょうか。

少なくとも僕は中学1年ではユダを知らなかったと思います。

(知ったのは『Get Backers 奪還屋』の無限城編を読んだときでしょうか。)

今の中学生は普通に知っていることなのでしょうか。

小学生からエヴァンゲリオンを知っていれば、エヴァ→使徒→ユダにたどり着くのは容易ですが・・・

 

大人になって読んでも面白いと思いました。

中学生の僕に紹介しても理解できなかった可能性大です。

開成中学・高校に通われていた伊沢さんにとっては容易いことだったのかもしれません。

 

師(イエス)を敬愛しながらも、他の使徒に比べて自分が邪険に扱われていると感じる不満を抱え、聖人なのに俗っぽいところもあることに嫌悪しつつ、それでも師にたいする独占欲が抑えられない。敬愛と憎悪というアンビバレントな感情が果たして中学生の自分に理解できたのか?

中学生のときに紹介されてもこう答えたでしょう。

「伊沢さん、難しいです( ノД`)」

 

ちなみに同じ質問に対して

水上颯さんは 『空飛ぶ馬』北村薫 / 東京創元社

鈴木光さんは 『名誉の殺人』アイシェ・ヨナル / 朝日新聞出版

を紹介されていました。

『空飛ぶ馬』は文章も綺麗で丁寧。『駆込み訴え』と違って難しい漢字や言い回しも出てこない、しかも人が死なないミステリーで、まさに中学1年生の読書入門にピッタリだと思います。そのチョイスを瞬間的にできた水上さんすごいですね。

読んだことがある作品だったのでスルーさせてもらいます。

『名誉の殺人』は未読だったので現在注文中です。

 

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