【新書】『ゼロリスク社会の罠』―リスクの捉え方
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紙の本も読みなよ / A-key-Hit
『ゼロリスク社会の罠』佐藤健太郎 / 光文社
人はリスクを読み誤る生き物なんだそうです。
リスクを見ないようにしたり、あるいは過大に見積もろうとしたりする心理的バイアスがかかりやすいと著者は説きます。
ハーバード大学のリスク解析センター(何それ?)では、
リスクを人々が強く感じてしまう10の要因を発表しているそうです。
・恐怖心
・制御可能性
・自然か人工か
他7つ
恐怖を感じると、実際よりも大きくリスクを見積もってしまう本能を人は持ち合わせているそうです。これはもう大昔の狩猟時代から遺伝子に組み込まれているので仕方ないのですが、現代社会においては本能よりも理性で判断をした方が危険を回避できる。
反射的な行動をする前に、一度立ち止まって考える癖をつけたいものです。
生ガキを食べてあたった人は毎年数万人は発生しているはずだが、規制を受けることなく普通に店頭で販売されています。
一方、人工の食品添加物で数百人程度の被害が出たらマスコミや世間は大騒ぎする。
「天然」は安全で、「人工」は危険という思い込みが強すぎる。
著者は「天然」大好き・「化学」は大嫌いという傾向以外にも日本人の勘違いについて説明しています。
・発がん性
・トランス脂肪酸
・ホメオパシー(エセ化学)
・放射線
なんとなく危険そうだから、リスクをゼロにしたいと渇望するリスク過敏症の日本人。
しかし、リスクはゼロにはできない。(当たり前)
ゼロに近づけようとすればするほど、他のリスクや結果に見合わないコストがかかる。
リスクを低くする努力は必要だが、どの程度のリスクならば受け入れてもよしとするか。
リスクの大きさ、コストに対するメリット・デメリットのバランスが大事。
なんでもかんでも、「リスクあるからやめた方がいい」という口癖の奴はダサい。