【小説・ミステリー】『ミステリー・アリーナ』―真実はいつも一つ!とはどういうことか
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紙の本も読みなよ / A-key-Hit
『ミステリー・アリーナ』深水黎一郎 / 講談社
2016年「本格ミステリ・ベスト10」で第1位。
「このミステリーがすごい!」でも第6位。
6月の講談社文庫新刊で文庫化されていました。
文庫化が早いですね。
この作家さんはいつも技巧を凝らした変化球を投げて来られます。
ミステリー初心者が読むと、面白さが伝わらないかもしれません。
メタ視点というか、メタ構造というか、
ミステリーというものに対する見解を物語後半で提示されます。
中盤までは普通にミステリークイズ番組の体裁で進行しますが、
終盤になってからトンデモ裏設定が開示され、メタミステリーになります。
「なんじゃいそりゃあ!」とつい叫んでしまう設定でした。
こういう展開を面白く読めるかは、意見の分かれるところだと思います。
ストレートなミステリーばかり読んでいて、ちょっと飽きてきたような方にはオススメです。
世の中には、「メタミステリー」や「バカミステリー」(あまりに設定やトリックが馬鹿馬鹿しいオチのもの)といった変化球のミステリーがそこそこ存在します。
普通のミステリーだと思って買って読んでみたら、冗談みたいなオチで肩透かしを食らうこともたまにあります。(「金返せ!」と怒る方も結構おられます。)
まあそこがミステリーというジャンルの面白さであり、裾野の広さだと思います。
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