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【小説・SF】『歌うクジラ』―ギチギチに詰まった文体に酔う

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紙の本も読みなよ / A-key-Hit

『歌うクジラ』村上龍 / 講談社

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SFと純文学のハイブリッド。

近未来の日本のディストピア小説。

人々は階層化されて身分があり、それぞれ住む場所が制限されている管理社会。

流刑地で暮らしていた主人公の少年は、ある日重要なデータを託される。

少年は島の外へ出て、社会の中心を目指す旅に出る。

 

ストーリーはもちろん面白い。

しかし一番の魅力は、情報がギチギチに詰まっている文体である。

数行読んだだけでお腹いっぱいになりそう。

ギチギチに濃厚なチョコが詰まったザッハトルテを1ホール一気食いして胸焼けしたような感覚の読後感(←褒めてます)。

 

 現代日本の娯楽小説では、とにかく「読みやすさ」が優先されて書かれています。読んでもらえないと本が買ってもらえないから。

そういう販売戦略は理解できるが、そういった本ばかりが跋扈し、短期的にベストセラーの席を交代し続けている。

それでいいんだろうか?これからの日本は。

 

「読みやすい=善」「読みにくい=悪」ではない。

 サラサラと読めてしまうのは、作者が工夫して配慮してくれているからであって、読者の力量によるものではない。

「読みやすいことは良いことだ」と思っている人は、たまに読みにくい本に当たってしまったときに、本が悪いと即断してしまう。

(もちろん、本当にそういう場合もあるが。)

しかし読みやすい本にばかり触れていると、知らぬ間に「読書をする筋力」が衰えていっていることに気付けない。

 

たまには村上龍の本を読んで、読書筋を鍛え直す。

衰えを自覚する契機としてみる。

ストーリー、キャラクター、テーマ、全て一級品なので筋トレなのに苦痛はありません。

 

ちなみに僕は村上春樹よりも断然、村上龍派です。

 

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