【小説・SF】『夏への扉』―お手軽タイムマシンなんかいらない
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『夏への扉』ロバート・A・ハインライン / 訳:福島正実 / 早川書房
「SFといえば」という質問で必ず挙がるあまりにもメジャーな作品です。
僕は天邪鬼なので今まで読んでませんでした。
いわゆるタイムスリップものです。
著者はジュブナイルのつもりで書いたそうですが、そんな印象は受けませんでした。登場人物の年齢も思考も大人でも普通に楽しめます。
宣伝文句に「猫好きな人に贈る作品」だというふれこみがありましたが、猫が目的で人は小説を読まんでしょう。実物を触るか動画や写真を見るでしょ。
どういう宣伝の仕方?
未来に行くのか、過去に行くのか五分五分で分からないタイムマシンで過去に飛び、そこでコールドスリープに入って未来で目覚める(=未来へ飛ぶ)という方法で時間を移動します。
つまり、過去の行き方と未来の行き方の方法論が異なります。
しかもタイムマシンを開発した科学者を挑発して怒らせて飛ばしてもらうという1回きりのやり方。
こういうタイムスリップの方が必死感が出るし、イチかバチか感があるし、取り返しのつかない感じもあって面白いですよね。
大量の電力を必要とするデロリアンに乗るのも観ていて楽しいけれど。
ドラえもんのタイムマシンでの旅行はなんてお手軽でつまらないのだろうと感じます。
ドラマが全くありません。
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