【小説・ミステリー】『詩人と狂人たち』―こんな謎解きの仕方って許されるのか?
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『詩人と狂人たち』G・K・チェスタトン / 訳:南條竹則 / 東京創元社
短編集です。
同じ主人公が毎回事件を解決する探偵モノ。
こういうキャラクターでミステリーを書こうとした著者の発想がすごい。
もちろん毎回、犯人はどこか狂っていてまともじゃない発想や行動をする。
よって、結果として現れる事象が常人には理解できない。
しかし主人公(探偵役・実際はただの詩人)もまただいぶ発想がぶっ飛んでいて、
それがゆえに犯人の思考や行動が理解できるのだ。
王道ミステリーのように、物証やトリック、アリバイといった視点からは一切考えず、
犯人はどういう動機、思考回路のもとでそういう行動をするに至ったのかを推理(というかほぼ断定)し、解説してくれる。
この本は、本格ミステリー(作品内で事前に提示された手がかりだけで、読者が犯人を論理的に導き出せるもののこと。手がかりが不十分だったり、可能性がすべて検証されていなければアンフェアとなり、「本格」とはみなされない。)とそれに準ずるものしかミステリーとして認めないという「本格ミステリー原理主義者」の方々には噴飯ものだろう。
僕は「面白かったら別になんでもいいやん」というスタンスなので
ミステリー枠に入れました。
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