【小説・SF】『エデン』―どうしたレム?
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『エデン』スタニスワフ・レム / 訳:小原雅俊 / 早川書房
オマハの賢人といえばウォーレン・バフェットですが、
クラクフの賢人といえば、そう、スタニスワフ・レムですね。
ここ10日間くらいかかって読み終えました。
古本屋でレムの未読の青背(早川文庫のSFのこと)を見つけたので買いました。
レムを初めて読んだのは『完全な真空』と『虚数』でした。
これは「架空の本に関する書評集」というどんでもない発想のSFというか現代社会評論なのです。そのときから、この著者は天才だという印象が植え付けられたまま今日に至ります。
『ソラリス』を読んだときも「さすがやで!天才レム」と認識は変わらず。
つまり期待値が上がりすぎている状態で『エデン』を読んだわけです。
「あれ?案外普通のSFやんか。どうしたレム?」というのが第一印象でした。
まあどんなものでも、期待値が上がりすぎている状態で見ちゃダメってことですかね。
映画『君の名は』も、話題で期待値が上がりまくった状態で観たので肩透かしを食らった気分を味わいました。
巻末の解説によると、作品の発表順としては
『エデン』→『ソラリス』→『完全な真空』→『虚数』みたいです。
僕が読んだ順番と全く逆!
失敗した~!!
そりゃインパクト弱くなっていくわ。
まあでも中盤までは普通でしたが、
後半は宇宙での知的生命との接触と考察がなされていて面白い。
そもそも50年以上前に発表されたのだから、テクノロジー的な知見や考察に期待して読もうとする方が間違いなのかも。
「50年前にここまで考えられる人が存在していたんだぜ」という視点で読むのが面白い。
ニュートンの『プリンキピア』を現代人が読むような感覚で。
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