【小説・伝記】『花埋み』―ななみんが紹介してました
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『花埋み』渡辺淳一 / 新潮社
2016年10月末以降。
乃木坂46の橋本奈々未さんが「恋する文学」で北海道にまつわる小説をいくつか紹介されていました。その1つが『花埋み』です。
著者である渡辺淳一氏は伝記作家の一面もあったのだということをこの時知りました。
日本初の政府公認女医(医学試験合格)の荻野吟子の伝記です。
10代半ばで夫に淋病をうつされて離婚し、それから医者になろうと勉強するも、周囲や社会の女性差別の妨害から、中々受験や医学校入学までの道が開かれない。才能は十分あったのに。
正直、ここまで嫌味を言われたり妨害されたりすれば、心が挫けて誰もが諦めるだろう。耐えるだけでもしんどいのに、社会の慣習や規制、偏見を変革していかないと医者になることはできない。
現代日本では考えられないほど「医者になるためのハードル」が高い。
このバイタリティ。見習いたい。
ようやく34歳のときに合格して女医になるも、社会・大衆の貧しさによって、単純に診察していればよいわけではないことを悟る。(当時は多くが貧困に喘いでいた。)
女医の傍ら、女性の地位向上のために社会運動にも参加。
絶望感からかキリスト教に入信し、13歳も年下の男と結婚。
大言を吐く夢見がちな夫についていき、北海道の未開拓地に移住する。
なんという行動力、波乱万丈の人生だろう。
自分とは全く違った人生を送った方の伝記は、性別、人種、時代にかかわらず非常に面白いし興味深い。
一人の人間には一生しか生きることはできない。
こういう優れた伝記を読むと、もう一生分生きた感覚を味わえる。
この本を教えてくれたななみんに感謝いたします(^0^)/
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