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【マンガ】『ワールドトリガー』(19巻)―ついに発売!待ちに待った新刊

『ワールドトリガー』葦原大介 / 集英社

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⇧2018年12月4日発売!

 

3年くらい待っていた気がしますが、実際は1年9ヶ月ぶりの新刊発売です。

一時は続投が危ぶまれたようですが、著者の体調も復活し、連載再開となったようです。19巻までは週刊少年ジャンプに連載されていましたが、20巻収録分からはジャンプSQ連載に移籍するそうです。コミックの刊行ペースは落ちてしまいますが、このマンガが絶筆になるよりかははるかにマシです。

何しろ僕の生きる希望のうち30%くらいは、このマンガの続きが読めるという事実によって形成されているので、連載再開は非常に嬉しいです。

今日という日(発売日)を今か今かと待ちわびていました。

おかえりなさい。

 

続きが同時発売のジャンプSQですぐ読めるとのことは、もう収録する話のストックがないということですね。つまり20巻は早くて半年後くらいになるのでしょうか。

 すでに待ち遠しい。( ノД`)

 

物語では、ランク戦第7戦が開始。

ついにヒュースが仲間に加わって、ワクワクしかない展開に。

戦場マップは市街地D。巨大ショッピングモール内での集団戦闘になります。

 

『ワールドトリガー』の面白さの一つはチームバトルですが、バトルフィールドが毎回変わるところも新鮮で楽しい部分です。

ジャンプマンガの特徴として、バトルものは大体1対1で「屋外」です。

週刊連載なのでその方が作画が楽だからです。

しかしショッピングモール内というのは様々な店舗や施設があって、読者としては地形を利用した戦闘は見ていて楽しいのですが、作画する側としては地獄でしょう。

 

連載復帰して間もないのに、読者を楽しませるためには労を厭わないこの姿勢!

ありがたいのですが、クレイジーと言わざるを得ません。

著者はサボるということを知らないのでしょうか?

もう少しお身体を大事にして下さい。

 

いつもはそれぞれのチームのオペレーターが敵の位置情報を伝えるのですが、

今回のショッピングモール内での戦闘は敵の位置(階数)が正確に分からないという状況設定も面白い。

マップの設定にこれ以上面白くできる要素はないだろうと思っていましたが・・・ありましたね。自分がいかに普段から平面でしか人間の行動を捉えていないかが分かりました。そして想像力が不足していたことも。

 

ヒュースの活躍は次巻以降のようですね。

(ヒュースが好きすぎて、このブログのアイコンは自分で描いたヒュースになっております。)

f:id:A-key-Hit:20181204203542j:plain←これです。

 

 

 

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【小説・文学】『キャッチ22』―ポップだから伝わる反戦論

『キャッチ22』ジョーゼフ・ヘラー / 訳:飛田茂雄 / 早川書房

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↑2016年に新装版。旧版は1977年出版。

 

時は第二次世界大戦末期。

中部イタリアのピアノーサ島にあるアメリカ空軍基地が舞台。

主人公・ヨッサリアンはとにかく生き延びたかった。

戦闘機で出撃したくない。殺されたくない。死にたくない。

 

出撃命令を回避するために仮病を使ったり、通信機をわざと壊して通信がつながらないようにして帰還したり、狂ったフリをして嘘をついて逃げることで頭がいっぱい。

不真面目な軍人といわれようと、とにかく故郷に帰りたい。

いつ殺されるともしれないこんな場所にいつまでもいたくない。

 

上司の大佐や少佐は、見栄や外聞をよくすることに血道を上げ、出世競争に主眼が向いています。軍医はこの現場に納得がいっていません。

全員が頭のおかしい狂騒の中にいます。思いやりは脇によけられ、自分の都合を声高に叫ぶ。戦争が早く終わって欲しいと誰もが思っているのに、自分が出撃して終わらせたいとは考えていません。

命知らずのバカはすぐに死ぬか行方不明になります。

ブラックユーモアの群像劇。

 

軍人たる者、常に勇敢であれというのは理想論です。

ホントは多くの人が「もう嫌だ」と思っていて、早く戦争終わってくれないかなと祈っているもの・・・という方が、リアルな気がします。

戦闘狂以外はそれが当たり前です。誰だって死にたくない。

 

 

上司の理不尽な命令に振り回され、最前線の兵士たちはいつだってゴミくずのように無意味に死んでいき、そういう出撃命令と結果が何度も繰り返されます。

主人公はふざけているようでいて、どうやったら生き延びる可能性が上げられるかを常に考えているといえます。思考停止してしまったら、上司の命令にバカ正直に従うことしかしなくなり、すぐに死んでしまいます。

普段の生活だけでなく、生き残るためにもユーモア感覚が必要なのです。

 

反戦を謳った小説や評論は世の中に数多く存在しますが、どれもがマジメで、重たい話に終始しているものです。

人の死について語るわけですから当然の姿勢とは言えるのですが、如何せん堅苦しいものになってしまうことは否めません。

重苦しい話には人はほとんど耳を傾けてくれません。

 

伊坂幸太郎『重力ピエロ』に

「本当に深刻なことは陽気に伝えるべきなんだよ」

という名台詞があります。その通りだと思います。

 

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『キャッチ22』という小説は、物語やキャラクターをコメディのノリに限りなく漸近させることで、戦争のうんざり感を非常に上手く表現しています。

不謹慎だと嫌がる方もおられるでしょうが、ブラックユーモアはテーマの重苦しさを取り去って、幅広い読者に伝えることができる表現技術の一つですし、著者の苦心・工夫の形ともいえます。

戦後少ししか経過していない当時のナーバスな日本人には、もしかしたら受け入れ難かった小説かもしれません。

アメリカはその辺の懐が広いですね。

 

戦争を知らない我々は、こういうポップな入口を用意してもらえることで、

戦争について考える契機を作ることができます。

 

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【ノンフィクション】『死体の教科書』―米津玄師「Lemon」を聴きながら

『死体の教科書』上野正彦 / 朝日新聞出版

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⇧2010年出版。

ジュンク堂でフェアやってたので買いました。

 


ドラマ『アンナチュラル』は非常に面白かったですね。

不自然死の遺体を解剖して死因を究明するという、法医学を題材としたお話でした。

 日本における不自然死の8割は解剖されないまま火葬埋葬されるそうです。

これは先進国で最低水準だとか。

死因究明よりも遺体を傷つけたくないという方がまだまだ多いのでしょうか。

 

この本は、元東京都監察医の著者が過去に遭遇した豊富な事例をもとに、法医学による検死について語っています。

 病死判定以外の遺体は不審死・変死として検死するそうですが、死因究明のための見方として、巷でよく言われる「5W1H」の原則を使うそうです。

「5W1H」とは、When(いつ)、Where(どこで)、Who(誰が)、Why(なぜ)、What(何が)、How(どうやって)、のことです。

この場合、犯行時刻、犯行現場、犯人・共犯者・被害者、動機、犯行結果、犯行方法にあたります。

 

監察医ならではの視点、世間が思い込んでいる誤解の反証データが面白いです。

犯罪素人の犯人がどういう偽装工作(自殺や事故に見せかけたり、犯行時刻を誤認させたりする)をやるのか。それはどういう観点からすぐバレてしまうのか。

初期の『名探偵コナン』を熟読している方にはけっこうおなじみの、「死斑」や「死後硬直」の解説は詳しく書かれています。

 

死体をバラバラにして捨てるバラバラ殺人事件は犯人が女性の場合が多いそうです。

残酷だからではなく、死体を処分するときに解体しないと一人で持ち運べないからとのこと。なるほど!

 

保険金や遺産相続の関係で、死亡報告書に記載する死亡時刻を変えてくれと医師に請う遺族がけっこういるみたいです。

ドラマや小説の中の話だと思っていたのですが、世間は僕が思っているよりも浅ましかったようです。

 

この本は法医学や検死に興味のある方にとっては非常に面白いのですが、それ以外の方にとっては気分を害されるかもしれません。

世の中にはこんなにも殺人事件があふれているのか、とうんざりしてしまうことになるでしょう。ニュースで凄惨な事件が頻繁に報道されているにもかかわらず、それはほんの氷山の一角に過ぎないことがよく分かります。

 

人類が存在する限り利害関係や怨恨は生まれますから、殺人事件は永遠になくならないのかもしれません。

同列に語ってはいけないことなのかもしれませんが、つまりミステリー小説というジャンルもなくなることはないのかもしれません。

無理やりポジティブなことを考えようとしたら、そういうことしか思いつきませんでした。

 

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【小説・文学】『地下室の手記』―正論はプレゼン能力があってこそ

『地下室の手記』ドストエフスキー / 訳:江川卓 / 新潮社

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↑1970年出版。光文社から新訳版が2007年に出ています。

 

ドストエフスキーといえば『罪と罰』、『カラマーゾフの兄弟』などが超有名ですが、

それらは結構な長編なのでかなりテンションを高めてから読まないと途中で挫折する可能性大です。

その点、『地下室の手記』は短く、ドストエフスキーを読んだことがない人には入門編として最適です。この小説を始まりとして、後の『罪と罰』『カラマーゾフ』といった大作につながっていくので、そういう意味でも順番的に理解しやすい初心者向け本といえます。

 

(そもそも僕の読書スタイルは、「絶版になりそうなものから読んでいく。マイナーなものから読んでいく。」なので、自然と『地下室の手記』を先に手に取りました。

夏目漱石や芥川龍之介は絶版にはまずならないのでいつでも読めるけれど、マイナー作家はいつ絶版になって手に入らなくなるか分からないから、そちらを優先しようという作戦です。ドストエフスキーもまず絶版にならないでしょうけど。)

 

この小説が発表されたのは1864年(150年前!)らしいです。

自意識過剰な主人公が社会との関係を断ち、地下に引きこもってひたすら思索を展開するモノローグ形式をとっています。

当時の社会の潮流としては、人間は理性的存在だと信じられていました。

逆に、「理性なんてアテにならない。人間ってのはもっと不合理な生き物だ」というのが彼の主張であり、それには同意できます。

 

しかしその主張はきちんと周囲に届きません。

社会的通念の大きな流れに一人では太刀打ちできないというのもありますが、

彼は、世間から笑われてしまったことをで憎しみを覚えていました。

彼は世間を軽蔑し、世間も彼という存在を軽視しきっています。

お互いがリスペクトしていない状態で、まともに聞く耳をもってもらえるはずがありません。議論とはそういうものです。

 

長年の一人生活のせいで、久々にかつての仲間と集まっても、会話もスムーズにできず、相手の態度の欠点ばかりが目につきます。

まあ皆も彼をバカにしている感じがなくはないのですが。

 

想像してみて下さい。

引きこもりの男を久しぶりに居酒屋に呼び出し、5人くらいで飲み会をすることになりました。他の4人はいつも顔を合わせているので、彼ら同士にしか分からない話題で盛り上がります。たまに男に会話を振っても、テンポが合わずにイマイチ盛り上がりません。男はいつも考えていることを皆に話しますが、4人は真剣に議論しようとはせずに、適当にその話題を切り上げようとします。男がまた同じ話題に戻したら、「もうその話はいいじゃん。ノリ悪いなぁ」と言われて空気が悪くなります。

全部、男が悪いかのような雰囲気が出来上がって、やがて会は解散となります。

その光景を想像するだけ哀しく切なくなります。

 

男の主張は、現代の価値観に照らし合わせても間違ってないように思えます。

しかしキョドってしまったり、テンポが悪かったり、話が回りくどかったりして、聞く側も内容が頭に入ってきにくい雰囲気が出来上がってしまっています。

正論を話しているのに、男の見た目、態度、仕草、口調が聞き手の受入れ態勢を阻害しているのです。もったいない!

 

理想論を言えば、人は相手の見た目や仕草で、自分の態度を変えてはいけないのでしょう。しかし実際の人間の癖として、相手の様子や地位によって自分の態度を変えてしまいがちです。

ですので、現実的には聴衆を引き付けるプレゼンテーション能力が要求されます。

一番の悲劇は、彼にその能力が欠けていたことです。

 

いくら正しいことを叫ぼうと、世間に聞き入れてもらえなければ(社会的には)価値はないことになります。

男は世間に絶望する前に、プレゼン能力を磨くべきだったのかもしれません。

 

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【ビジネス】『クラウド時代の思考術』—知識の外部委託による弊害とは

『クラウド時代の思考術』ウィリアム・パウンドストーン / 訳:森夏樹 / 青土社

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京極堂シリーズのどこかで中禅寺秋彦がこんなことを言ってました。

「博識とは知識の多い者のことではなく、

誰に(どの専門家に)聞けばそれを教えてもらえるか知っている者のことだ」と。

 

セリフの一字一句はそのままではありませんが、大筋としては合っているはずです。

知識が多ければいいってものじゃなく、個人には限界があり、素人がゴチャゴチャ考えたってその道一筋で研究している専門家に及ぶはずがない。君には僕が物知りのように見えるかもしれないが、僕の知人の専門家からしたら浅い知識しかないんだよ。

・・といったシーンだった気がします。

f:id:A-key-Hit:20181125224406j:plain←京極堂シリーズ第4作目。この中だったかな?

 

この小説では時代は昭和初期~中期あたり(戦中~戦後)なのでもちろんインターネットもスマホもありません。

しかし、知識や情報というのは個人で完結させるというよりも、外部(ここでいうと専門家)に頼る部分もあるという点では同じことです。

 

今はネットがあり、分からないことがあればすぐに検索して調べることができるので、人々は知識を自分の頭の中に蓄える必要性がなくなってきました。

誰もが意識的にせよ無意識的にせよ、積極的に覚えようという意識が昔よりも希薄になってきているのではないでしょうか。(グーグル効果という。)

 

たしかに検索をすればすぐに知識や情報は得られるのですが、

人は何かを判断する前に、毎回検索するわけではありません。

むしろイチイチ検索などほとんどしないはずです。面倒ですからね。

自分の中にある有り合わせの知識と直感で決断してしまいがちです。

 

コーネル大学の心理学教授デヴィッド・ダニングが学生たちに一般常識のテストをしました。そして学生たちに自分で自分の得点を予想し、他の者たちに比べて、自分はどれくらいうまくできたのか自己評価するように言いました。

一番低い得点を獲得した学生は、どれほど自分がよくできたかを大げさに吹聴しました。最下位に近い得点を取った学生たちは、自分の技量を他の三分の二の学生より、一段と優れていると予測していました。

高い得点を獲得した学生たちは、自分の能力をより正確に認識していました。

 

知識や技術に欠けた者の特徴は、自身の知識や技術の欠損を全く理解(自覚)できないこと。――これをダニング=クルーガー効果といいます。

 

また、「5人に1人の法則」というのがあります。

アメリカ人の20%(不十分な知識と情報しか持っていない人達)は

・魔女が実在すると信じている

・太陽が地球の周りを回転すると信じている

・エイリアンの誘拐を信じている

・バラク・オバマはイスラム教徒だと思っている

・宝くじは有利な投資だと信じている

・ホロコーストは神話だと思っている(あるいは聞いたことがない)

そうです。

ホントに?! にわかには信じ難い事実ですね。

流石に物を知らなさすぎで、驚きとともに恐怖すら覚えます。

(核爆弾を山ほど抱えているわけですから。)

しかし、アメリカ人を笑うことはできません。

日本人だって同じような現象が起こりつつあります。

 

クイズ番組でのアイドルやおバカタレントと呼ばれる方達の、回答の間違いが判明するまで崩さない自信に満ちた態度を、今まではネタ(ふざけている)だと思っていたのですが、どうやら本気で自分は正解していると信じているからこその態度だったのかもしれないことに気付きました。

 

数々の実験により、知識のない人ほど、自分の直感や決断に現実とは乖離した自信をもっているそうです。

愚者は自分の愚かさを自覚できないのです。

陰謀論やフェイクニュースを信じこみ、妄想を妄想だと自分で判断できないからそれが固定観念になって、毎日の行動や発言に現れて、周囲に影響を与えていくという負のスパイラル。この流れは世界中で起こっています。

怖いですね。 

 

なんでも知っている物知りになれとこの本は言っているのではなく、

一般常識すらおぼつかない状態では、日常生活でまともな判断ができなくなることに警鐘を鳴らしているのです。

グーグルやスマホが悪いと言っているのではなく、

自分が物を知らないことを自覚できなくなっていることがマズイということです。

 

分からなかったら何でも検索したらいいじゃんと思うかもしれませんが、

 言葉(知識となるキーワード)を知らないと、それに関連する言葉を検索するという発想にも至りません。

一般常識くらいは持ち合わせていないと、検索材料が不足しているので、不十分な知識しか結局得られないことになります。

まあ、その一般常識も時代によって流動的で、ここまで覚えていればOKとは一概に言えないところが難しいのですが・・・

 

【小説・文学】『服従』―退けば老いるぞ 臆せば死ぬぞ

『服従』ミシェル・ウェルベック / 訳:大塚桃 / 河出書房新社

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↑2017年文庫版出版。

 

時は2022年の近未来。

フランスで大統領選挙が行われようとしていました。

有力な候補者は、極右の国民戦線(党)マリーヌ・ル・ペンと穏健派イスラム同胞党のモハメド・ベン・アッベス。

前者ならファシズムの台頭が予想され、後者ならイスラム主義政権が発足します。

ファシズムよりかはマシということで、結果、イスラム政権が成立しました。

イスラム式の政権運営・法令施行により、街は急激に変化していきます。

スーパーで売られる商品にも入荷しなくなったものが増え、

道行く女性の服装もムスリム(イスラム教徒)に寄せてきています。

教育制度も変更を加えられます。

大学の研究者は研究内容を制限され、意に沿わぬ者は解雇されていきます。

女性は一部を除いて大学に行けなくなり、代わりに社会福祉制度が充実していきます。

 

主人公のフランソワは44歳の大学教授。

大学の方針(というか政府の意向)により職をクビになった彼は、治安の悪くなったパリを離れてしばし旅行をします。パリに戻ってきてからは、本を書く依頼を受けたりして食べていける算段がつきそうな運の良さを発揮します。

かつての同僚は、別の大学で雇ってもらえるようになったと報告してきました。

「食べていくためにキリスト教からイスラム教に改宗したのかよ」と彼を蔑みつつも、フランソワは徐々に仕事をする気力もなくし、生きる意欲も減退していきます。

結局彼も、最後はイスラム教に帰依することで大学に復職する道を選択します。

アイデンティティを保つには、知識も教養も役には立たないほど脆いのでした。

 

フランスだけに限らないのかもしれませんが、そこで生きている人々はなんだか、生きるエネルギーが減衰しています。

中年も壮年も皆老人のように、無難に、安全に、慎重に余生を暮らしたいという願いを最優先にして生きているからです。

 

もっと大事なものは自分の中に無いのでしょうか?

そんなことを言えるのは、本当の苦しみをまだ味わったことがない者のたわごとなのでしょうか?

食べていけるなら、主義主張はいくらでも曲げても構わない?

長生きするためには妥協に妥協を重ねても構わない?

 

他人がそうしているのは構いませんが、自分もそうやって生きることを自分で許容できますか?

「退けば老いるぞ、臆せば死ぬぞ」とは『BLEACH』の名言ですが、精神的に老いると取り返しがつきません。死んでいる状態に限りなく近くなります。

そうならないように、チャレンジングな気持ち、冒険心をいつでも持っていたい。

 

「老いる」とは肉体的な衰えではなく、心が枯れてしまうことだと思います。

 心が疲れている者は、思考停止してしまい、何にでも簡単に服従してしまいます。

何も考えずに誰かに従うのは、怠惰で一番楽な生き方だから。

 

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【小説・ミステリー】『湿地』—土地柄ならではのトリックと捜査法

『湿地』アーナルデュル・インドリダソン / 訳:柳沢由実子 / 東京創元社

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 ↑2015年出版。

 

 10年くらい前から『THE KILLING/キリング』をスタートとして北欧ミステリーが流行し出しましたが、もう今ではブームではなく確固たる一分野としての地位を確立しましたね。いいことです。

 

かつてマンガの神様である手塚治虫が記者に質問されたときの回答を思い出しました。

記者:「今のマンガブームをどう思いますか?」

手塚:「ブームではないよ。すでに定着したものをブームとは呼ばない。」

カッコイイ~!

まさに昨今の北欧ミステリーもそんな印象です。

 

北欧ミステリーとは、スウェーデン、ノルウェー、フィンランド、デンマーク、アイスランドの5か国発のミステリーのことです。

「イギリスも同じくらいの緯度なのでは?」と思いますが、イギリスは元々ミステリー作品が非常に多いので今更言う事ではないということでしょうか。

 

北欧ミステリーの特徴は、一言で表現すると「なんか暗い」です。

悪く言えば、終始どんよりしている陰鬱な雰囲気が漂っています。

良く言えば、凄惨なドラマにはうってつけの情感が溢れていて、ムードや演出効果という点では申し分なしです。

万人ウケしないかもしれませんが、ホラーサスペンス好きの方との適合率は高いでしょう。落ち込んでいるときには読まない方がいいかも。

 

物語の舞台はアイスランド。

 人口も少なく、他国からの移民も少ない閉鎖的な環境なので、ヒトゲノムが全国民登録されていて、家系をさかのぼることができるという特殊な条件を備えた土地なんだそうです。(日本よりも鎖国的な国がまだ現代にあったとは驚きですね。)

 湿地にあるアパートで、老人の死体が発見されました。侵入の形跡はなし。何者かが突発的に殺害し逃走したらしい。ずさんで不器用、典型的なアイスランドの殺人。

 この後の展開も、その土地だからこそ起きた悲劇だし、できたトリックです。

すばらしい。

アイスランド発でなきゃ成立しない作品です。

 

10年前に出版されて大ヒットしたスウェーデン発のミステリー『ミレニアム』(スティーグ・ラーソン / 早川書房)シリーズもそうでしたが、北欧ミステリーの特徴として、「捜査のリアリティがある」という点も挙げられると思います。

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↑シリーズ5まで出ています。(2018年11月時点)

 

二流のミステリーでは、途中まで面白かったのに、終盤に都合よく証拠を発見したり、都合よく証言者が現れたりして興ざめしてしまいます。

「何それ?その展開は幸運すぎでしょ」という怒りが涌いてきます。

北欧ミステリーではそんなことありません。

地道な捜査から些細な手がかりに気がついて、謎が解明されます。

実際の警察もこういう地道な捜査をしているんだよなと想像させられます。

名探偵がいつも登場するわけではないのです。

 

今気づいたのですが、

「捜査にリアリティがある=名探偵が現れない」

ということなんですね。

名探偵が出てくるミステリーも当然面白いわけで・・・あれ?

 

うん、どっちも好きですね。僕は。

 

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【小説・ミステリー】『熊と踊れ』—スウェーデンで実際にあった銀行強盗

『熊と踊れ』アンデシュ・ルースルンド、ステファン・トゥンベリ / 訳:ヘルンハルメ美穂、羽根由 / 早川書房

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↑2016年出版。「このミステリーがすごい!」海外篇1位

 

これは実際にスウェーデンで起きた銀行強盗事件をモデルにした小説です。

3人の兄弟とその友人の4人組で銀行強盗をするのですが、長男の緻密な計画のおかげで何度も成功を収め、最終的に1日に2件の銀行を同時に襲うという大胆なものにまで発展します。(金はいくらあってもいい。今度も失敗するはずがない。)

 

長男以外の仲間は、ビビり屋だったり、思慮の足りないお調子者だったりで足手まといになりそうな予感しかしません。

しかし銀行強盗は一人では出来ませんし、信頼できる仲間も兄弟以上の人材はいません。(成功した後もそれを言い触らさないのは大事なポイントです。)

仕方なく長男は、暴力で統制をとってチームを率いることになります。

 

回を重ねるごとに警察の警戒も強化されていきます。

銀行強盗よりも、銀行を襲った後の逃亡手段が大事です。

警察の包囲網をいかにくぐり抜けるか。

果たして、最終的に勝つのは警察か、兄弟か。

 

銀行強盗という題材は、エンターテイメントとしては派手で面白いですが、

現実に実行するとなるとリスクが大きすぎて、利益に見合わない気がします。

最低3~4人は必要なので、金を分配しなければならず、そこでトラブルも起きやすい。

誰かがヘマをして警察に捕まれば、芋づる式に全員捕まります。

ビジネスモデルとしては、ベンチャー起業よりもリスクが高いし成功率も低い。

セキュリティもどんどん向上していて、短時間では物理的に不可能になりつつあります。

やろうとする方がバカげていると言えます。

 

そもそも、ヨーロッパではキャッシュレス社会が進んでいて、紙幣がどんどん廃止されていっています。これは世界的な流れなのですが、日本は遅れています。

いずれ、紙幣の銀行強盗なんて神話になってしまうでしょう。

20年後の人々はこう言うはずです。

「え?昔は銀行にお金が紙や金属で保管されてたの?!そりゃ盗まれて当然でしょ。」

 

まあ20年後の世界に銀行が存在していればの話ですが。

 

銀行強盗モノとしては、この小説がもしかしたら世界で最後の大ヒット作品になりえるかもしれません。(そういう意味でも貴重な作品。)

銀行からお金を盗むのはハッキングするしかなくなるからですが、ハッキングだけだとエンターテイメントとしてはショボくなります。

一つのジャンルが消えてしまうのは、なんだかさみしいですね。

 

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【小説・ミステリー】『天城一の密室犯罪学教程』—これであなたも密室トリックマスター

『天城一の密室犯罪学教程』天城一 / 日本評論社

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↑2005年版「このミステリーがすごい」第3位。

 

ミステリーを50冊ほど読めば、密室モノといくつか出会うことでしょう。

そこで

「密室トリックって他にもどんなのがあるんだろう」

という疑問が自然と頭に浮かぶものです。

 

ミステリーにおける「密室」とは、空気の出入りすら遮断されている部屋を指すのではなく、基本的に人間が侵入不可能なもののことを言います。(その中で殺人事件や不可能犯罪が起こるからこそ謎が生まれるわけです。誰が?どうやって?)

もちろん空気すら通れない密閉具合である方が望ましい(設定としてカッコイイ)のですが、大抵の読者は密閉具合まで気にしません。

密室にも段階があって、

完全な密閉空間(空気も出入り不可)→空気はギリ通れる→糸ならドアや窓の隙間を通せる→ロープくらいなら通せる→片手なら手首までは入る

くらいのユルさまでは許容されるレベルです。(個人的感覚)

 

江戸川乱歩の『続・幻影城』の「類別トリック集成」というものがあるそうですが、生憎、僕はまだ読んでおりません。

f:id:A-key-Hit:20181126183143j:plain←2004年出版。まだ絶版になってません。

 

『続・幻影城』を読んでいなくても全く問題ありません。

この『天城一の密室犯罪学教程』では実例の10個の短編(すべて著者の自作)を参考にして、密室の種類と構造について丁寧に解説してくれています。

密室ビギナーはもちろん、ミステリー作家を目指す方にも十分勉強になる内容です。

 

密室のことについて知りたくなっても、体系的にまとめられた教科書的な本はほとんどありません。(需要がないのでしょうか?)

まあ、まとめる(編集する)方も面倒でしょうし、労力に見合う採算が取れないように思えます。

こういう本が一冊あるだけで、ミステリーがさらに面白く読めるようになるはずなのに・・・。

 

 解説されているのは

「抜け穴密室」「機械密室」「時間差密室」「逆密室」「超純密室」など、『名探偵コナン』や『京極堂シリーズ』を読んでいればすんなり理解できるパターン分けがしてあります。

解説の一つ一つが、歴史的背景や著者自身の戦争体験なんかも織り交ぜてあって、重厚で味わい深いエッセイとしても読めます。

東野圭吾や松岡圭祐といった人気作家たちは、どちらかと言えば文章の味わいよりもストーリーやキャラクターで読ませるスタンスですが、

この著者は文章が非常に上手く、カッコイイ。

ミステリーでこういう文章が読めるのは貴重です。

 

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もくじ 兼 発表記事リンク一覧

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〈あ行〉

(189)『あゝ我らがミャオ将軍』1巻まつだこうた・もりちか / 徳間書店 

          ――社会主義国をカワイくギャグ化!

(105)『アオアシ』15巻 小林有吾 / 小学館

          ――過信や保身では未来は拓けない

(159)『アオアシ』16巻 小林有吾 / 小学館

          ――世界水準を見据えるということ

(158)『あさドラ!』1巻 浦沢直樹 / 小学館

          ――名もなき女性の一代記

(200)『アリスたちの標本』1巻 小松万記 / 芳文社

          ――犯罪捜査は悪夢の中で

(153)『アンサングシンデレラ』1巻 荒井ママレ・富野浩充 / 徳間書店

          ――薬剤師の存在価値

(171)『アンサングシンデレラ』2巻 荒井ママレ / 徳間書店

          ――理想を枯れさせないために

(133)『アンダーニンジャ』1巻 花沢健吾 / 講談社

          ――現代に生きるナルト(NARUTO)?

(125)『いちげき』1-2巻 松本次郎・永井義男 / リイド社

          ――江戸における新撰組こと一撃必殺隊、発進!

(167)『インハンド』朱戸アオ / 講談社

          ――事故を防ぐのはシステムか、良心か

(143)『うたかたダイアログ』1巻 稲井カオル / 白泉社

          ――選び抜かれた言葉のチョイス

(184)『うなじ保険』平方イコルスン / 白泉社

          ――女子高生の尾行は空回りし続ける

(181)『映像研には手を出すな!』4巻 大童澄瞳 / 小学館

          ――どこまで妥協せずに踏ん張れるか

(166)『87 CLOCKERS』全9巻 二ノ宮知子 / 集英社

          ――世界に貢献できるゲーム

(174)『エンバンメイズ』全6巻 田中一行 / 講談社

          ――一流達の心理戦

(130)『王様達のヴァイキング』17巻 さだやす・深見真 / 小学館

          ――ハッキングされた仮想通貨を奪い返せ!

(175)『王様ランキング』1巻 十日草輔 / エンターブレイン(KADOKAWA) 

          ――童話と少年マンガの新しい融合!

(199)『オオカミライズ』1巻 伊藤悠 / 集英社

          ――中国とロシアに分割統治された日本

(102)『鬼の又鬼のアモ』1巻 多田乃伸明 / 講談社

          ――わたしは神を許さない

〈か行〉

(109)『彼方のアストラ』1巻 篠原健太 / 集英社

          ――ミステリーとSFの幸せな融合

(120)『彼方のアストラ』2-5巻 篠原健太 / 集英社

          ――完璧な伏線回収と気持ちのいい大団円

(195)『監察医 朝顔』香川まさひと・木村直已 / 実業之日本社

          ――監察医と刑事の家族ストーリー

(164)『鬼滅の刃』1-2巻 吾峠呼世晴 / 集英社

          ――ジャンプっぽくない王道少年マンガ

(110)『君は春に目を醒ます』1巻 縞あさと / 白泉社

          ――ハインライン『夏への扉』の少女視点

(131)『きみを死なせないための物語』1-2巻 吟鳥子 / 秋田書店

          ――長命は善で、短命はかわいそうなのか?

(144)『錦糸町ナイトサバイブ』1巻 松田舞 / 講談社

          ――キャバ嬢を夢見る歯科助手の奮闘コメディ

(169)『金の国 水の国』岩本ナオ / 小学館

          ――これほど気持ちのいい少女マンガは他にない

(165)『刑事ゆがみ』1巻 井浦秀夫 / 小学館

          ――振り込め詐欺の実態

(141)『賢者の学び舎』1巻 山本亜季 / 小学館

          ――理不尽さに耐えろ

(146)『ゲソコン探偵』1巻 花林ソラ・百井一途 / 講談社

          ――足跡から犯人を推理する

(139)『月曜日の友達』全2巻 阿部共実 / 小学館

          ――大人になる速度

(147)『恋するワンピース』1巻 伊原大貴 / 集英社

          ――ONE PIECEが好きなすべての人へ

(170)『ここは今から倫理です。』3巻 雨瀬シオリ / 集英社

          ――主義は幸福になるためにある

(108)『このマンガがすごい!2019』宝島社

          ――1位は何かって?考えるまでもないね!

(113)『金剛寺さんは面倒臭い』1巻 とよ田みのる / 小学館

          ――平和だねぇ~

〈さ行〉

(123)『さよならソルシエ』(全2巻)穂積 / 小学館

          ――二人のゴッホ その生涯

(172)『さよならフットボール』全2巻 新川直司 / 講談社 

          ――若者のもう後がない切迫感

(116)『さよならミニスカート』1巻 牧野あおい / 集英社

      ――単なるジェンダー論で終わらない一級のミステリーサスペンス

(156)『さよならミニスカート』2巻 牧野あおい / 集英社

          ――可愛さで奪い、奪われるのか

(114)『3月のライオン』14巻 羽海野チカ / 白泉社

          ――発売してくれてうれしいぃ~!

(150)『将棋指す獣』1巻 市丸いろは・左藤真通 / 新潮社

          ――プロ棋士の価値

(160)『将国のアルタイル』1巻 カトウコトノ / 講談社 

          ――友を勇気づけるのに正論は要らない

(149)『小説王』1巻 大沢形画 / KADOKAWA 

          ――三流編集者などいらない

(115)『進撃の巨人』27巻 諫山創 / 講談社

          ――悲劇は拡大していく

(163)『進撃の巨人』28巻 諫山創 / 講談社 

          ――生身の人間が戦うから面白い

(186)『ジュニオール』1巻 灰谷音屋 / 秋田書店

          ――勝ちたいのか、楽しみたいのか

(107)『数字であそぼ』1巻 絹田村子 / 小学館

          ――数学が苦手な我々のために

(136)『スピリットサークル』全6巻 水上悟志 / 少年画報社

          ――平成版・「火の鳥」

(192)『ソウナンですか?』1巻 岡本健太郎・さがら梨々 / 講談社

          ――サバイバルは本来面白いもの

(145)『葬送行進曲』ウチヤマユージ / 講談社

          ――ゴミ屋敷での奇跡の出会い

(157)『ゾン100~ゾンビになるまでにしたい100のこと』1巻 高田康太郎

           ――最高に幸せで楽しい不謹慎

〈た行〉

(176)『チェンソーマン』1巻 藤本タツキ / 集英社

          ――第1話の迫力!

(134)『テロール教授の怪しい授業』1巻  カルロ・ゼン、石田点 / 講談社 

          ――カルトの構造

(154)『天国大魔境』2巻 石黒正数 / 講談社

          ――謎を想像し、推理する楽しさ

(177)『天牢のアヴァロン』1巻 浜村俊基・藤澤紀幸 / 講談社

          ――この世界は現実か、仮想現実か

(190)『天を射る』1巻 西荻弓絵・飛松良輔 / 小学館

          ――天下一の射手

(196)『東京核撃』細野史羽 / 集英社

          ――一家に一冊!核災害マニュアル

(121)『友だちの話』河原和音・山川あいじ / 集英社

          ――女子にとっての友情とは

〈な行〉

〈は行〉

(155)『ハスリンボーイ』1巻 草下シンヤ・本田優貴 / 小学館

          ――非合法な道具、紹介します

(197)『葬 はぶり』1巻 渡辺千紘 / マッグガーデン

          ――殺すことでしか救えない命がある

(118)『犯罪交渉人 峰岸栄太郎』全5巻 記伊孝 / 講談社

          ――説得を開始します!

(180)『パンダ探偵社』1巻 澤江ポンプ / リイド社

          ――ヒトではなくなっていく哀しさと覚悟

(187)『柊様は自分を探している。』1巻 西森博之 / 小学館

          ――ワガママではなく気位が高いのだ!

(148)『左ききのエレン』1-3巻 nifuni かっぴー / 集英社

          ――天才と凡人の戦い

(129)『響~小説家になる方法』11巻 柳本光晴 / 小学館

          ――天才の進路の選び方

(124)『不滅のあなたへ』1巻 大今良時 / 講談社

          ――孤独な旅―完璧な第1話

(126)『ブタが好きすぎてハンガリーの国賓になりました』松本救助 / ポプラ社

          ――人生塞翁が馬

(122)『ブルーピリオド』1巻 山口つばさ / 講談社

          ――「好きなことは趣味でいい」は大人の発想に過ぎない

(140)『ブルーピリオド』4巻 山口つばさ / 講談社

          ――絵を描く難しさ

(183)『ブルーロック』1巻 金城宗幸・ノ村優介 / 講談社

          ――エゴイズムは責任感でもある

(193)『ブレイズ・ソー・エッジ』1巻 吐兎モロノブ / 少年画報社

          ――デザインがカッコ良すぎるファンタジー

(194)『黒狼 ヘイラン』1巻 百地元 / 講談社

          ――原田左之助×張作霖

(117)『僕だけがいない町』全9巻 三部けい / 角川書店

          ――行動する者だけが誰かを救える

〈ま行〉

(119)『マイホームヒーロー』6巻 山川直輝・朝基まさし / 講談社

          ――常に機転を利かせる男

(162)『マイホームヒーロー』7巻 山川直輝・朝基まさし / 講談社

          ――一般人が犯罪集団にどこまで対抗できるのか

(135)『ミステリと言う勿れ』2巻 田村由美 / 小学館

          ――なぜ人を殺してはいけないか

(127)『名探偵コナン』17巻 青山剛昌 / 小学館

          ――珠玉の一話(第6話)

(128)『名探偵マーニー』(全11巻) 木々津克久 / 秋田書店

          ――人が死なないミステリー

(188)『モナリザマニア』1巻 ヨシカゲ / 集英社

          ――贋作も生きる希望になる

〈や行〉

(182)『ヤオチノ乱』1巻 泉仁優一 / 講談社

          ――現代忍者たちは都会で戦う

(101)『やがて君になる』(1-3巻) 仲谷鳰 / KADOKAWA

          ――誰のことも特別に思わない?

(112)『ヤングブラック・ジャック』1巻 田畑由秋・大熊ゆうご / 秋田書店 

          ――医者はどこだ!

(178)『夢で見たあの子のために』1巻 三部けい / KADOKAWA 

          ――サスペンスの面白さは切迫感

〈ら行〉

(152)『ラジエーションハウス』7巻 横幕智裕・モリタイシ / 集英社

          ――MRI撮影時に閉じ込められた!

(111)『ランウェイで笑って』8巻 猪ノ谷言葉 / 講談社

          ――ファッションショーの優劣は何で判断されるのか

(137)『ランウェイで笑って』9巻 猪ノ谷言葉 / 講談社

          ――デザイナーは見ている世界が違う

(168)『ランウェイで笑って』10巻 猪ノ谷言葉 / 講談社

          ――コネ入社だから許される?

(151)『リボーンの棋士』1巻 鍋倉夫 / 小学館 

          ――人生を再起させよ

(179)『レイリ』6巻 岩明均・室井大資 / 秋田書店

          ――熱く儚い戦国の世

(173)『レッド・ベルベット』1巻 多田由美 / 講談社

          ――マンガで読む海外ドラマ

〈わ行〉

(104)『ワールドトリガー』19巻 葦原大介 / 集英社

          ――ついに発売!待ちに待った新刊。

(198)『ワールドトリガー』20巻 葦原大介 / 集英社

          ――遊真とヒュースのコンビネーション

〈A〉

(106)『Artiste』4巻 さもえど太郎 / 新潮社

          ――いい仕事に傲慢さはいらない

〈B〉

(138)『BE BLUES! 青になれ』34巻 田中モトユキ / 小学館

          ――人を変えるものとは

(185)『BE BLUES! 青になれ』35巻 田中モトユキ / 小学館

          ――引きの絵のすごさ

(142)『BLUE GIANT SUPREME』7巻  石塚真一 / 小学館

          ――ひたむきさが人を魅了する

〈D〉

(132)『Dr.STONE』9巻 Boichi・稲垣理一郎 / 集英社

          ――狂気的な行動こそ他人を感動させることができる

(161)『Dr.STONE』10巻 Boichi・稲垣理一郎 / 集英社

          ――帆船と気球を作る!

〈H〉

(191)『Heaven? ご苦楽レストラン』全4巻 佐々木倫子 / 小学館

          ――主人公が邪魔者という独創コメディ

〈R〉

 (103)『Rosen Blood』1巻 石据カチル / 秋田書店

          ――美麗な絵がさらなる進化

 

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